時代を代表するサッカー選手でありたい栗林。
日本人離れしたプレーとは対照的に、その感情は何処か置き去りにされた印象です。
そのため、周囲との認識のズレもしばしば。
一方で、言葉は少ないながらも口から出るセリフには、誰もが驚くばかりです。
ともすれば単なるビックマウスに聞こえますが、実績を残す栗林だからこその説得力。
もはや栗林の存在自体が“名言の宝石箱”といっても差し支えありません。
Contents
【アオアシ】栗林 晴久とはどんな選手?
![]()
アオアシ/©小林有吾
名前は、栗林 晴久(くりばやし はるひさ)。
エスペリオンでは、ユースとトップで二種登録されてきたMFです。
その二つ名は「エスペリオンユースの最高傑作」とも言われます。
16歳の高校2年生でプロデビューする栗林。
ピッチに入ると5分で観衆の注目を集め、1アシストで早くも勝利に貢献します。
その後は浦和戦では先発、ACLではベトナムの地でも出場します。
福田の計らいにより3か月限定でユースに戻りましたが、ここでも結果を出し続けます。
ユースカップを優勝で飾り、プレミアリーグは無敗をキープ。
強化部長の加瀬はクラブを代表して、栗林とC契約で正式にプロ契約を提示します。
引退した平をはじめ多くの人の期待を背負いながら、前に進むことを決意した栗林。
再昇格後して2か月の11月には、トップを牽引する存在にまでなりました。
脅威の4ゴール6アシストで、エスペリオン連勝の立役者としてチームは4位。
マスコミは栗林の成長に驚きます。
やはりユースで経験した各高校との対決が、良い方向に作用したようです。
【アオアシ】栗林の名言「それが、俺でありたい。」(145話)
![]()
アオアシ/©小林有吾
栗林のスケールの大きさを語る上で、外せない代表的な名言です。
アシトの目標とは、実家の生活を楽にさせるべく、1日でも早くプロになることです。
しかし栗林はもっと上を目指しています。
プロになること自体が目的ではありません。
今この瞬間で最高の選手は誰かと、アシトに質問する栗林。
アシトは即答できずに困惑します。
古くはペレにはじまり、ジーコ、マラドーナ、そしてジダンやメッシなど。
その時代には、同じ質問をされてパッと頭に思い浮かぶ選手がいるはずです。
栗林は時代を代表する選手になりたいと、平然と言ってのけます。
世界基準の発言を聞いて、アシトをはじめ隠れて見ていた大友たちも驚愕します。
もっとも、栗林の立場からすれば、一度の人生でそこを目指さない方が疑問だと考えているようです(以上145話)。
【アオアシ】栗林の名言「二人でよく話したよな。」(65話)
![]()
アオアシ/©小林有吾
BチームのFWとして得点を重ねるアシト。
このタイミングで福田はアシトに対して、DFへの転向を命令します(61話)。
エスペリオンの寮が騒然とする中、黙々と筋トレに励む阿久津。
そこに花ちゃんの献立表を持って、栗林が姿を見せたのです。
アシトの能力はDF向きだと確信していた栗林。
逆になぜ周囲が騒ぐのか理解できません。
アシトを目の敵にする阿久津の反応は相変わらずですが、そこにスッと入っていけるのが栗林です。
分かっていたくせにと、セリフの中に(笑)マークまで付けています。
世界一のクラブを目標に掲げる福田。
その野望を叶えるためには、SBが穴だと2人は議論を重ねていたのです(65話)。
Aに昇格したアシトは平のアクシデントで途中出場。
DFのいろはを知らないアシトに対して、阿久津がコーチングをします。
その様子を見て満足そうな栗林。
同時にアシトにも阿久津から学ぶよう期待をします(131~133話)。
【アオアシ】栗林の名言「お前ならできるよな。」(123話)
![]()
アオアシ/©小林有吾
初登場の6巻では、アシトのことを「面白い」「大したもの」だと褒める栗林。
どうやらアシトに興味を持ったようです。
その2人の初会話は、ユース生御用達の日の出食堂でした。
松永たちと話す様子を見る限りでは、とっつきやすいと思うアシト。
遊馬もいい人だと認めますが、怖いとも警告をします。
独特すぎる会話のテンポに周囲が戸惑う中、アシトにコンプリートSBを期待する栗林。
アシトも上手く言語化できませんが、視野の能力を活かすことだとは感じています。
自分の意図を理解された栗林は嬉しそうです。
世界には超攻撃型、または守備特化型のSBは存在します。
栗林はアシトに対して、攻撃と守備における両方のコンプリートを求めていたのです(122〜124話)。
“攻守コンプリート”。
これからDFに取り組むアシトにとって、一つの指標を与えた栗林。
しかし求めるレベルは歴史上存在しないSBです。
一介の町食堂で話す内容とは思えませんが、そういうところに頓着ないのが栗林です。
【アオアシ】栗林の名言「闘争心 残っている奴いるか?」(199話)
![]()
アオアシ/©小林有吾
単行本19巻最後のページからになります。
平の引退試合となった船橋戦です。
アシトのハンドで逆転されたエスペリオンユース。
10対11人の数的不利な状況となり、平は出場機会を失いました。
意気消沈するチームに檄を飛ばす阿久津。
そんな中、栗林は素晴らしい試合だと船橋の強さに感動しています。
「やっつけよう」と不敵な笑みを浮かべながら、例のセリフを発するのでした。
落ち込んでいる仲間とは考えの次元が違い過ぎます。
事実、トリポネと1対1では、ヒリつく場面ですが2人とも笑っています。
最後にヘディングした阿久津を含めて、幻想とはいえ日本代表の姿が浮かび上がるほどのレベルです。
総力戦の結果、試合は引き分けとなりました。
疲労困憊で両チームが引き上げる中、よく見ると栗林だけは満足気な表情です。
サッカーに全てをかける、栗林の狂気の一面を垣間見た気がします(199~202話)。
【アオアシ】栗林の名言「リスペクトしかない。」(291話)
![]()
アオアシ/©小林有吾
アシトのプロ練習参加編からのチョイスになります。
プロになるためには、アシトにとってこの3日間が超重要です。
しかしというか案の定、プロの世界は甘くありません。
ボールを蹴ることで生業とする人々は、考え方がまるで違うからです。
それでも、司馬を頼るのは良い判断だとアシトを評価する栗林。
Jリーグを20年間見続けた司馬は特別だと絶賛するほどです。
普段は他人に興味のない栗林ですが、司馬を特別視するのには理由がありました。
海外に行ける実力がありながら、移籍をしなかったからです。
栗林が中2の時、ボールを止める本質を説いたのも司馬でした。
「頭を作り替えろ」とお馴染みのポーズ。
その時の高揚感は、今でも栗林は忘れられません(304話)。
エスペリオンというクラブのために、己のサッカー人生を捧げた司馬。
海外移籍を視野に入れた栗林には、到底マネできません。
司馬の生き様には尊敬するばかりです(以上291話)。
【アオアシ】栗林の名言「俺は、スペインに導かれる。」(301話)
![]()
アオアシ/©小林有吾
栗林は親の仕事の都合で、1年間スペインで暮らした時期がありました。
小学生前に大観衆のカンプ・ノウで福田のプレーを直に見た栗林。
また、同年代のカンテラ出身の選手には、苦い思い出もあるようです。
この時、栗林のケガを手当てしたのが花ちゃんでした(291話)。
ともかく、サッカーをキチンとやろうと決めたルーツはスペインにありました。
必ずスペインに戻ると決めていた栗林。
滞在期間1年にしては相当な思い入れです。
良く観るリーグは、ラ・リーガ。
プレースタイルもスペイン流。
だからといって、スペインに行けるとは限りません。
しかし、栗林にすれば人生を逆算した上で当然だと思っています。
スペインを“引力の場”とするセリフなど中二病満載ですが、栗林だから許される発言でもあります(301話)。
まとめ
![]()
アオアシ/©小林有吾
今やエスペリオントップの司令塔としてチームを統率する栗林。
年齢やキャリアは関係ありません。
W杯出場選手にも厳しい言葉でベストプレーを求めます。
栗林の言葉を借りれば、引力の場であるスペインに導かれるまであと2年。
これからもワールドワイドな発言で驚かせて欲しいところです。
