空前の大ヒット作となった『鬼滅の刃』。
そして『呪術廻戦』。
いつの世も人気作を抱える「少年ジャンプ」です。
スマホなど手軽に利用できるインフラが整備され、巣ごもり生活が当たり前になる中、紙媒体に限らず専門アプリなどで気軽にマンガを目にする機会が急増してきました。
SNSやTwitterなどの情報発信ツールで一億総コメンテイターの時代。
人々の関心がポスト『鬼滅』を探し求めるのは、当然の成り行きかもしれません。
そんな、次に来るマンガ的ポジションで注目を集めつつあるのが、これから紹介する『マッシュル』。
この作品の何が注目され、魅了するのか。
読むタイミングを運悪く逸してきた人も、ここでの紹介を読めばニワカレベルまでには到達できるはず。
さぁ、この波に乗り遅れるな!
目次
【マッシュル】物語のおさらい
まずは簡単なストーリー紹介です。
舞台は魔法界。
日常生活には当たり前のように魔法があり、誰もが当たり前のように魔法を使えるという、一見すると夢のような世界です。
しかしながら、そこには魔法の巧拙でヒエラルキーが存在する世界でもありました。
魔法が使えない不全者は社会の底辺。
市民から忌み嫌われるばかりか、匿いでもしたら立派な犯罪だと蔑まるほどです。
主人公のマッシュ・バーンデッドは魔法不全者。
当然ながら警察にマークされますが、これを鍛え抜かれた肉体で撃退に成功します。
マッシュが平穏な生活を手にするためには、この不条理な世界を変える以外にありません。
そのためには魔法界で多大な実権を持つ「神覚者」となり、周囲から認められること。
己の肉体で世界の常識を覆すべく、マッシュの挑戦が始まるのでした。
【マッシュル】人気の理由①アブノーマルな世界観!
まずは世界観。
普通の魔法物語であれば『ハリーポッター』のように、主人公が経験を重ねて魔法の経験値を上げて強くなるパターンが一般的です。
しかし、『マッシュル』は前提条件がそもそも異なります。
魔法という特殊能力を逆手に取り、主人公が魔法を全く使えないという設定にした秀逸さ。
魔法VS肉体という異種格闘技の世界観が、この作品の最大の魅力かと思われます。
【マッシュル】人気の理由②普通じゃない主人公!
魔法界で魔法が使えないイレギュラーな存在のマッシュ。
普通ならばこれだけで負のメンタル大ですが、その一方でマッシュは尋常ではない肉体が備わっていました。
筋肉は裏切らないがモットーのマッシュ。
それだけの鍛錬をこなしてきた自覚があってのことでしょう。
空を飛ぶのも足をバタバタさせて誤魔化すなど、魔法を凌駕するパワーとスピードで次々と課題やトラブルをクリアしていきます。
そして反抗期なお年頃にもかかわらず、素直で前向きな性格。
時には誤解を招くこともありますが、芯の通った心の強さと周囲の人々を労わる優しさは、まるで固い外皮と柔らかいクリームのシュークリーム!
後述する俺TUEEEのイキったキャラではなく、朴訥であることがマッシュが読者から反感を買わない理由かもしれません。
【マッシュル】人気の理由③ギャグ要素も満載!
世間慣れしていないためか、一般人と比較してズレた感覚が面白いマッシュ。
そのボキャブラリーの少なさも相まって、言葉に詰まると滝のような汗を流すなどボケ役を担います。
ルームメイトであるフィンの的確なツッコミも忘れてはなりません。
クールなランスは極度のシスコン。
惚れやすいドットは色恋沙汰で。
重い性格のレモンをしても「アクの強い」と面々が、意図せずともシュールなギャグを織りなします。
マッシュが放つ奇想天外な攻撃方法やチートな威力を見ると、シリアスにもかかわらず笑いがこみあげることもしばしば。
友だちが馬鹿にされて怒る(分かる)
↓
成敗する(これも分かる)
↓
土に埋める(???)
どうして埋めるのか、考えるだけ野暮というものです。
物語のタイトルも、主人公の名前(マッシュ)、特徴的なキノコ頭(マッシュルーム)、そして筋肉(マッスル)と、これらをシャレで語呂合わせしたのでしょう。
【マッシュル】なろう系とは?
“なろう系”とは、Webによる「小説家になろう」の投稿作品から端を発します。
しかしながら、現在のなろう系はあまりにも拡大解釈された感があり、正しい定義を述べられる人は皆無ではないでしょうか。
ともあれ、なろう系の傾向としては
異世界ファンタジー
魔法の世界は、なろう系にとって最高のご馳走。
『転スラ』や『Reゼロ』のように転生した先の世界ではありませんが、中世の町並みや拓けた台地、お城のような城壁に闘技場、森や木などが多いのも特徴です。
その一方、異世界もので定番の勇者は登場しないため、剣を使ったバトルは(今のところ)ありません。
主人公が無双の俺TUEEE
なろう系の主人公はとにかく強いです。
ごく普通の主人公が転生した世界では最強という良くあるパターン。
そこから「俺にこんな力があったのか」的な無自覚系と、更に主人公が細分化されていきますが、大概は世界の救世主的なポジが多いです。
ことマッシュに関しては確かに無双キャラですが、その強さの裏付けには長い間の筋トレがバックボーンにありました。
ハーレム状態
マッシュには自称婚約者のレモンがいるのですが、何せ重過ぎるからなぁ・・・。
もっともマッシュ自身は付き合いを否定しているので、ハーレムとはほぼ無縁の作品です。
なろう系の出世街道は、ラノベ→マンガ→アニメ→劇場版。
『マッシュル』はラノベ発ではありませんが、このまま人気がでればアニメ化の流れを期待せずにはいられません。
【マッシュル】『ワンパンマン』ほかパクリが多い?
まずは、『ワンパンマン』のサイタマと共通点。
無双パワーを獲得した経緯が筋トレということ。
サイタマは腕立て伏せ、上体起こし、スクワットを各100回、ランニング10㎞をストイックに毎日こなして、想像を絶するパワーを手にしました。
リアルで実行してサイタマになれるかは別として、マッシュも長い間一人でフンフンとコサックダンスをしながらバーベルを持ち上げるなど、筋トレを日々精進。
その結果、無双過ぎるパワーを手に入れたのです。
また、バトルシーンも両者とも表情に乏しく、敵の必殺技も蚊に刺されたような感じで淡々と受けたり躱したりする傾向も似ています。
一方で、両者とも筆記試験の成績が壊滅的に悪い点も共通していますね。
前述したなろう系では、筋肉を持ち込んだ世界観『魔法?それよりも筋肉だ!!』(MFブックス、全4巻)にも酷似しています。
そのほかにも、『銀魂』や『ROOKIES』からのオマージュと思しきシーンもあるようですが、この辺りは掲載前の編集チェックを受けているので問題はないのでしょう。
また、ネット上では劣化ハリポタとも揶揄されますが、シャンプの掲載順や単行本の売り上げを見る限り、安定した人気作品であることに間違いはありません。
まとめ
ストーリーも目的が明確なため、無駄がなく進行が物凄く速いです。
70話を過ぎて既にマッシュは神覚者の最終試験直前まで辿り着きました。
話数を重ねるにつれて、連載あるあるで画力のレベルアップが見て取れます。
1話でブラッドのナルコムパスをバチンと叩くマッシュと、マカロンとの戦いを比較すると、何かこう、別物感が漂いますね。
最初の画風は『ワンピース』かと思いきや、マッシュのチートぶりが発揮されるにつれて『ワンパンマン』のような展開に。
最近はイノセント・ゼロの襲撃やマッシュの出自などシリアス要素が増えていますが、期末試験のエピソードのような箸休め回も忘れずに、独自路線を進んで欲しいところです。
