前回は、今日が最後という状況にも関わらず、信と王賁の熱い言葉で隊員達の心に再び火がつき、秦軍右翼が総攻撃を開始したところで終わりました。
隊員達の迷いが消え、「隊長を大将軍にしたい、その道へ共に歩みたい」という気持ちが1つになった瞬間でした。
こうなれば、玉鳳隊と飛信隊は最強の状態と言っても過言ではありません。
王賁の作戦通り、隊の覚醒に成功したのです。
意地と誇りを胸に、趙軍左翼を追い込む事はできるのか!?
今回は、王賁の言葉と隊員達の激闘ぶりを中心にお届けしていきます。
『キングダム』580話!のネタバレ
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原泰久『キングダム』580話より引用
それでは『キングダム』580話!の要点をまとめてみます。
時間のない場合、目次に内容をまとめていますので参考にしてみてください。
王賁の想い
十二日目の朝、玉鳳隊にとっても運命の出陣を迎えていました。
そこで、前回の信と同様に、王賁もまた隊員達の前で想いをぶつけていたのです。
「知っての通り、今この戦況にあって
本営からの指示も援軍も来ることはない
そして兵糧も尽きかけ、いよいよ、この右翼にも後がない
つまり、我々の玉鳳の自力で打開するしかない」
統率がとれている隊とはいえ、隊長から現実を突きつけられると、さすがの猛者達も動揺が隠せません。
けれど、ここからの王賁の言葉は、感謝と誇りで溢れていたのです。
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「だが、それこそ玉鳳本来の姿だ
この隊は、これまで何度も何度も自力で試練を乗り越えてきた
この玉鳳は、俺の初陣と共に誕生した
俺は、始めから父 王翦軍の外にあり
そこから一度も王翦軍に入っていない」
原泰久『キングダム』580話より引用
どうやら、王賁も「王翦の本当の子ではない」という噂を知っているような発言ですね。
「俺との戦いは玉鳳と共に始まり、今に至る
つまり、俺の槍も命も
ずっとお前達と共にあった
俺は、それを本当に誇りに思っている」
こんな事をサラッと言ってしまうのが、勝ち戦にしか興味がない王翦とは違います。
黙って聞いていた隊員達も驚き、自然と涙が溢れ
「俺たちも誇りに思っています!」
と涙を流す者も出てきました。
けれど、王賁はさらに言葉を続け、隊員達の心を突き動かすのです。
「だが、今の戦況はこれまでの中で、最も厳しいものだ
打開策も見ィ出せぬ程の苦況だ
だが、勝たねばならぬ
他を頼らず、この玉鳳の力で勝たねばならぬ
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友よ、力を貸してくれ」
原泰久『キングダム』580話より引用
あの王賁が、隊員達を「友」と言ったのです!
そして、自分の弱さを包み隠さず話し「力を貸して欲しい」とお願いしているのです。
これは私も驚きました。
その驚きは隊員達も同じで、みんな涙を流し「秦国随一の大将軍にならねばならぬ、この道を拒まんとする敵は・・・」と王賁が言いかけたところで、隊員達の方から「叩き潰す!どんな敵であろうと叩き潰す!」といっせいに声をあげたのです。
そして、その勢いのまま
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「我らが道を切り開く!!」
原泰久『キングダム』580話より引用
と王賁と共に駆け出し、飛信隊と共に総攻撃を始めました。
王賁が考えた「隊の覚醒」という作戦ですが、王賁や信自身もまた、この戦いを通じて成長したような気がします。
どんな苦境であろうと、今までの信頼関係があって、さらに最大限のやる気を出させる。
やろうと思っても、なかなかできる事ではないですよね。
信も王賁も、頼もしい男になってきましたよ!
勝利を信じて突き進む隊員達
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原泰久『キングダム』580話より引用
玉鳳隊と飛信隊が同じタイミングで総攻撃を開始。
もの凄い勢いで全軍攻めてくる姿に趙軍左翼も驚きます。
「何だ奴ら、騎馬も歩兵もでたらめにっ」
「隊形無視・・・奴ら気でもふれたか!?」
あまりの異常な状況に、敵は理解できない様子。
そこで、追い詰められて気がおかしくなったのだと、飛信隊めがけて大量の矢を放ちます。
「追い詰められたバカ共のあがきよ!
矢で黙らせてやれ!!」
降り注ぐ矢に騎馬は横にかわす事ができましたが、歩兵は逃れる事ができません。
容赦なく矢が体に突き刺さります。
ところが、攻撃した趙軍が気付くのです。
「何ィ!?奴ら、倒れぬぞっ!?」
そう、どんなに矢が降ってこようとも、足を止める者は誰もいないのです。
「隊長に力を貸してくれって言われたんだ」
「一緒に天下の大将軍まで突っ走るぞって言われたんだ」
信の言葉で1つになった飛信隊。
彼らは、この後がない状況であっても勝利しか考えていなかったのです。
こうなったら飛信隊を止められる者などいません。
耐えて突き進む歩兵のあとに、矢をかわした騎馬も加わり敵をなぎ倒していきます。
そして、趙軍の隊列が崩れて少しでも開くと、そこに一気に飛信隊がなだれ込み、敵をみるみる倒していきます。
この光景に、河了貂も驚いていました。
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「理屈じゃない!
恐らく飛信隊は今、この瞬間が今までで1番強い!!」
原泰久『キングダム』580話より引用
それは、玉鳳隊も同じでした。
「ジャマだ!道を開けぬかっ」
「賁様の道を開けぬか、下郎共がァ!」
隊員達の目は血走っており、王賁の道を開くべく力を最大限に発揮して突き進んでいました。
その姿は、さきほどまで死を覚悟していた隊員達とは思えません。
これはもしかすると、このまま趙軍左翼に勝てるかもしれませんね!
亜光軍の出陣
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原泰久『キングダム』580話より引用
飛信隊と玉鳳隊の快進撃に驚いているのは趙軍だけではありません。
亜光本陣では、まだ出陣する事もなく、その光景にただ驚いていました。
そこに現れたのが、性格に難ありの亜花錦です。
「何を傍観しておられる
段茶大将軍代理」
段茶は動揺していました。
「こ、こんな作戦、私は聞いていないぞ」
そりゃそうですよね。
王賁は信には相談しましたが、亜光軍には何も言っていませんから。
そんな事はお見通しの亜花錦、いつものニヤリ顔で答えます。
「見れば分かる、あれは作戦ではない」
亜花錦の目には、すでに隊が覚醒している事は気付いていたようで、段茶を急かします。
「何をしている
我らも行くぞ大将代理、全軍で」
「えっ」と驚き、なんだか頼りない段茶大将代理。
けれど、亜花錦はすでに確信していました。
「大いに恩を売る好機にして
戦的にも逸せぬ好機
大将代理、うまくすると
この右は今日勝つぞ」
そういう発言をするから王賁に嫌われるのでしょうが、亜花錦の腕は確かです。
急かされてやっと「亜光軍、全軍出陣だ」と段茶は指示を出しました。
飛信隊と玉鳳隊に比べて、温度差を感じる亜光軍。
なんだか、おいしいところだけを持っていかれているような気がします。
それでも、王賁と信が動かなければ、確実に秦軍右翼は負けていたはずです。
2人の勇気を称えたいですね!
『キングダム』ネタバレ580話のまとめ
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原泰久『キングダム』580話より引用
今回は、王賁の隊へ対する熱い想いから始まり、今までの疲れ果てた姿が嘘のように快進撃を見せる秦軍右翼の姿が見る事ができ、とても頼もしい回でした。
王翦将軍は、こうなる事を見通しての判断なのか、それともすでに負けると思っての援軍なしなのか、実子ではない可能性がある王賁が邪魔での判断なのか、まだ真意は掴めていません。
それでも、頼りになる若きエース2人の強い想いにより、確実に勝利へと近づこうとしているのは事実です。
そして、この危機をチャンスに変えて、更なる隊の成長へと導いた姿は、すでに将軍としての風格すら感じました。
亜花錦の言う通り、このまま秦軍右翼は勝つ事ができるのか!?
来週が待ち遠しいです!
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