李牧軍を追い詰めた上で、驚きの行動に出た王翦。
前回は、李牧に対して
「私と組み力を貸せ」
と誘ったところで終わりました。
さて、王翦と同じく、対話するために前にでた李牧。
最初はお互い挑発し合いましたが、黙って王翦の言葉に耳を傾けます。
鋭い眼光の裏に潜む、李牧の答えとは?
このまま、李牧軍は王翦の言いなりになってしまうのか!?
今回は、王翦に対する李牧の返事と、秦右翼の状況を中心にお届けしていきます。
『キングダム』608話!のネタバレ
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原泰久『キングダム』608話より引用
それでは『キングダム』608話!の要点をまとめてみます。
時間のない場合、目次に内容をまとめていますので参考にしてみてください。
李牧の返答
陣形の前で向き合って話す、李牧と王翦。
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「私と一緒に来い、李牧
お前が私と組み力を貸すなら
二人で全く新しい
最強の国を作ることが出来る」
原泰久『キングダム』608話より引用
思いがけない王翦からの誘い。
周囲は思わず、耳を疑いました。
「なっ、この状況でまさか
敵国登用だと!?」
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「秦軍の大将軍のくせして
国を作るって言わなかったか!?」
原泰久『キングダム』608話より引用
これには、さすがにカイネや傅抵も驚愕します。
黙って聞いていた田里弥と倉央は、表情を変えず状況を見ていました。
戦場であるにも関わらず、続く沈黙。
李牧は少し考えてから、口を開きました。
「私は、あなたのことは
そこまで詳しくは知りません
しかし・・・」
誘いを受けると思ったのでしょう。
カイネと傅抵が「えっ!?」と動揺します。
ただ、ここからはあまりにも李牧らしい返事でした。
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「これはあくまで
私の直感ですが・・・
あなたは国を亡ぼす事はできても
国を生み出す事はできない人間です
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あなたは恐らく・・・
この場にいる誰よりも
愚かな人間だ」
原泰久『キングダム』608話より引用
王翦は目を見開いて言いました。
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「それが応えか・・・李牧
あえて報われぬ道を選ぶか」
原泰久『キングダム』608話より引用
今の状況からして、生き残るためであれば王翦側につくのも1つの方法です。
しかし、李牧にとっては、そんな事は重要ではないのです。
王翦の言う通り、李牧の肩には趙国の未来が重くのしかかっています。
だからこそ、どんな苦境でも全てをかけて戦ってきました。
それは、いわば“大義”です。
苦しい時こそ、我欲は必要ありません。
自分を最上に置く王翦には、この意味は理解できないと思ったのでしょう。
李牧は、王翦のいう事を全否定しました。
「私はある時から
守るものがあった方が
燃えるようになりましたので。
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趙国を亡ぼすことは
私が決してさせませんよ
王翦」
原泰久『キングダム』608話より引用
正面衝突
李牧の応えを聞いた王翦。
矛を掲げて言いました。
「必ず後悔するぞ、李牧」
李牧も睨みつけて言ったのです。
「あなたの方です」
矛を振り下げ、王翦は部下へ指示。
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「李牧を殺せ」
原泰久『キングダム』608話より引用
今までの沈黙が嘘のように、お互いの兵が叫びながら衝突します。
まずは総大将を守るため、李牧と王翦の周りに一気に兵が押し寄せました。
王翦軍はすでに布陣済み。
倉央が糸凌に呼び掛け、李牧の首を狙いに行きました。
田里弥は王翦をまず保護し、李牧を追い込むように指示を出します。
ただ、李牧軍も負けてはいません。
傅抵がすかさず王翦の首を狙って出陣。
カイネは李牧を救援しようと向かいます。
激しくぶつかり合う中央軍同士。
離れていく時にも、王翦と李牧は互いを意識していました。
二人の脳裏に浮かぶのは秦右翼。
王翦の作戦では、中央軍が戦っている間に、横から秦右翼が攻撃して李牧の首を狙う流れでした。
もちろん、李牧は秦右翼を頼りにしている事は知っています。
互いに「勝ち目はない!」と予測。
全ての命運は、秦右翼にかかっていました。
激しい戦いを繰り広げている秦右翼の戦場。
信も矛を振り回し、敵をなぎ倒していきます。
しかし、いつもの勢いはありません。
辛そうに歯を食いしばる信。
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「くそっ
何で力が戻らねぇ・・・
傷口とかじゃなねぇ
趙峩龍との一戦が
想像以上に重かったのか」
原泰久『キングダム』608話より引用
思い返してみれば、趙峩龍を討った時、信は今まで以上の力を放出していました。
明らかに、残った力を全て使い果たしていたのです。
気持ちだけではもう、言う事をきかなくなってきた己の体。
信は、動けない自分を歯がゆく感じていました。
限界が近い仁
信の首を狙って駆け付けた十槍の三人。
少しでも信を休ませるため、飛麃隊が相手をしていました。
しかし、さすが尭雲の直下団である十槍。
強すぎて、我呂が追い込まれていたのです。
「第三槍、この平秀に対し
よくやった方だ、誇れ
そして死ね」
槍を構える平秀。
悔しそうに、我呂は睨みつけます。
その時でした!
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原泰久『キングダム』608話より引用
「矢だと!?」
平秀の手首を矢が貫通。
動きを止めます。
その間に、気合いで槍を振り上げた我呂!
平秀は胸を斬られ、血を吹き出しながら落馬したのです。
間一髪で助けられた我呂。
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原泰久『キングダム』608話より引用
矢を放ったのは弓矢兄弟の兄、仁(じん)でした。
「よし、さすがだ仁
我呂さんを助けたぞ」
周囲から称賛の声。
ところが、仁は納得がいかない表情。
となりにいた弟、淡(たん)も不安そうに尋ねました。
「・・・兄ちゃん
今の・・・」
淡の予想通り、今回はたまたま手に当たっただけでした。
弓矢兄弟の父は、中華十弓に選ばれる程の弓矢の達人。
父の血を受け継いだ二人は、いわば弓矢のエキスパート。
そんな仁が、狙ったはずの敵の顔を外すなど考えられません。
震える手で、弟に「淡、矢の補充を」とお願いする仁。
想像以上に長引いている朱海平原での戦い。
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原泰久『キングダム』608話より引用
連日撃ち続けている仁は、すでに限界を迎えていました。
近くで見て来た淡は、その事に気付いていたのです。
弓矢兄弟の約束
矢の補充をお願いされたのにも関わらず、自ら弓矢を構え放った淡。
でも、狙った敵に当たる事はありません。
淡は涙を浮かべて、心の中で悔しがります。
「オイラの矢は当たらない
兄ちゃんはずっと頑張ってるのに
オイラの矢は・・・」
実は、淡。
弓矢の技術は、兄に負けないほど超一流。
でも、どうしても人に当てる事ができないのです。
飛信隊の試験では的を当てれば良かったので、兄弟揃って入隊する事ができました。
ただ、ここは戦場。
朱海平原でもそれは変わらず、兄をサポートするしかなかったのです。
「淡、ムリに撃たなくていい」
敵に当てられない弟を、優しくなだめる兄。
でも、仁が限界を迎えているなら、少しでも力になりたかったのです。
淡の気持ちは、十分理解しているのでしょう。
仁はニヤリと笑って言いました。
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「兄ちゃんと約束しろ、淡
兄ちゃんが撃てなくなったら
その時は代わりにお前が撃て
この戦争には
俺達兄弟の力が必要なんだ」
原泰久『キングダム』608話より引用
ボロボロと涙を流す淡。
「分かったよ、兄ちゃん!」と、力強く約束を交わしました。
飛信隊が奮闘する頃、横でなびく玉鳳隊の旗。
そこには、向き合う王賁と尭雲の姿がありました。
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「来たか、王賁」
原泰久『キングダム』608話より引用
尭雲の鋭い眼差しは、王賁しか見ていなかったのです。
いよいよ、尭雲と王賁の再戦がやってきました。
関常を助けるため、王賁は尭雲の利き腕を攻撃。
見事に貫通させましたが、反撃で王賁は討たれてしまいました。
ところが、羌瘣の治療もあり、少しの休息をえて王賁は復活!
本調子ではないものの、戦場に立った時から尭雲を意識している様子でした。
今のところ、信と蒙恬は活躍している印象ですが、王賁はまだ結果を残せていません。
今度こそ尭雲を討つ事ができるのか、とても気になります!
『キングダム』ネタバレ608-609話のまとめ
今回は、王翦の誘いを断り、李牧の仲間に対する想いが感じ取れた回でした。
国のためではなく、守りたいもののために李牧は戦っていたようです。
さらに、久々の弓矢兄弟の登場。
立派に飛信隊の一員として仁が活躍しており、淡もそろそろ実力を発揮しそうな予感です。
そしてなにより、注目すべきは王賁と尭雲の再戦。
尭雲の周りには十槍がまだいるはずなので、このまま直接対決になるとも思えません。
藺相如の二つ目の遺言を果たすため、戦場に立った尭雲。
はたして、宿命の戦いはどちらが勝利するのか!?
次回の展開が楽しみです!

⇒『キングダム』610話!最期まで藺相如と共に生きた尭雲・・