那貴の活躍により奇襲をくぐり抜けたものの、飛信隊の前に立ちはだかる金毛軍。
前回は、中央軍同士の戦場に話が戻り、糸凌が李牧本陣に迫るほどの勢いで前進。
カイネがくい止めようと追いかけたところで終わりました。
さて、ついに趙左翼を抜いた飛信隊。
後方からは馬南慈軍、前方からは金毛軍が迫っており厳しい状態です。
中央軍の戦いも激化する中、糸凌は李牧の首を狙うべく突進していきました。
糸凌はこのまま、カイネに止められてしまうのか!?
今回は、予想外な展開が巻き起こる中央軍の戦場と、亜光軍の動きを中心にお届けしていきます。
Contents
『キングダム』612話!のネタバレ
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原泰久『キングダム』612話より引用
それでは『キングダム』612話!の要点をまとめてみます。
時間のない場合、目次に内容をまとめていますので参考にしてみてください。
思わぬ刺客
二刀流で敵をなぎ倒していく糸凌。
カイネ隊も急ぎますが、思っていた以上に早く前進していきます。
部下は口々に言いました。
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「何て速さだ、あの大女の隊」
「まずいぞ、このままでは
李牧様の本陣に辿り着いてしまうぞ」
原泰久『キングダム』612話より引用
圧倒的な糸凌の強さ。
李牧本陣が視界に入ると、糸凌は不敵な笑みを浮かべたのです。
このまま一気に李牧の首を狙う糸凌隊。
対して、カイネも止めようと先を急ぎます。
ところが!
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原泰久『キングダム』612話より引用
糸凌の部下3人の上半身が真っ二つ!
血を吹き出しながら、空高く舞い上がったのです。
驚愕するカイネ隊。
糸凌も思わず動きを止めました。
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原泰久『キングダム』612話より引用
目の前にはなんと、龐煖(ほうけん)が立っていたのです!
一瞬訪れた静寂。
切り取られた上半身が、無残にも地面に落ちてきました。
三大天の龐煖だと気付いた糸凌。
部下の呼びかけを無視して、殺そうと走り出しました。
しかし!
龐煖が突然叫びだしたのです!
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「ヴオオオオオオ!!!」
原泰久『キングダム』612話より引用
地面が揺れるほど、周囲に響き渡る奇声。
あまりの音量に、乗っていた馬たちが動揺。
言うことをきかずに暴れ出します。
必死に馬をなだめる糸凌隊。
すると、何事もなかったかのように、龐煖が趙軍の兵士に尋ねました。
「李牧はどこだ」
恐怖のあまり、カタカタと震える兵士。
怯えながらも「う・・・すぐ後ろの本陣に・・・」と伝えたのでした。
対面した李牧と龐煖
龐煖の奇声によって足止めされた糸凌隊。
その隙に、カイネ隊が後方から攻めてきました。
「オラァ
追いついたぞ、てめぇら!」
前方には龐煖、後方からはカイネ隊。
このままでは厳しいと判断したのでしょう。
糸凌は舌打ちをして、部下に指示を出しました。
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「くそっ、仕切り直すぞ
倉央様の所まで戻るぞっ」
原泰久『キングダム』612話より引用
女同士の戦いは実現せず、糸凌隊は退がっていったのです。
緊迫感ただよう李牧本陣。
龐煖の顔や腕は血管が浮き出るほど力が入り、今にも再び暴れ出しそうな勢いでした。
趙軍の兵士達は龐煖の前に立ち、苛立ちを沈めようと呼び掛けます。
「お待ちください
今、李牧様に・・・」
「龐煖様、なにとぞ!」
「お、お待ちを!」
震えながらも、必死に呼び止める兵士達。
すると、背後から声がしました。
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「私はここですよ、龐煖」
原泰久『キングダム』612話より引用
やっと李牧が姿を現したのです。
「随分と苦しそうですね」
李牧が言う通り、龐煖は顔の切り傷が痛むようでした。
そして、李牧を睨みつけながら言ったのです。
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「“答え”をもらいに来たぞ」
原泰久『キングダム』612話より引用
驚く周囲。
しかし、李牧にとっては想定内。
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「ええ、分かっています
約20年前・・・
我々が初めて会った時に
かわした“約束”
その約束を果たす日が
今日です」
原泰久『キングダム』612話より引用
周囲の部下達は、何の話なのか分かりません。
でも、李牧は話を続けました。
「そして、趙軍の戦いも正に佳境
この一日で決着をつけて
すぐに鄴に向かわねばなりません
食料の費えた秦軍にとっても
やはり今日が決着の日です」
しかし、龐煖にとってそんな事はどうでもいい話です。
要求を無視されたと思い、龐煖は苛立ちをあらわにしました。
ところが、李牧は否定します。
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「大いにありますよ
なぜなら、あなたは戦場で
王騎に出会ったのですから」
原泰久『キングダム』612話より引用
龐煖の顔にある切り傷は、王騎につけられたもの。
古傷から血が滲むほど、李牧の言葉に反応したのです。
最後に李牧は言い切りました。
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「私は“答えに導く者”だったはず
あなたの求める“答え”を
今持っているのは別の人間です
あなた自身も気付いているはずです
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誰であるのかを」
原泰久『キングダム』612話より引用
李牧が言う“答えを持つ者”とは、信のことを指すのでしょう。
なぜなら、信は王騎の矛を受け継いで戦っているからです。
王騎は龐煖の一撃によって命を落としました。
でも、王騎の意志は確実に次の世代へと受け継がれているのです。
龐煖は、己の強さを極めるためだけに戦い続けてきました。
でも、自分のためだけに強くあろうとするのは、必ず限界がくるもの。
龐煖にはないモノを、今の信は持っているはずです。
それが、龐煖が求める“答え”なのではないでしょうか。
金毛軍に苦戦する飛信隊
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原泰久『キングダム』612話より引用
金毛軍VS飛信隊の戦場。
那貴によって奇襲がバレてしまったため、直接対決に挑んだ金毛軍。
飛信隊が前進しようとぶつかりますが、思うように前へ進めません。
「何だ、こいつら
抜けねぇ」
「李牧本陣は
すぐそこに見えてるのに」
「動きが妙だぞ!」
どうやら、飛信隊は動きを止められてしまったようです。
この展開は、金毛にとっては計画通りでした。
なぜなら、金毛軍には李牧の直下兵も混ざっていたからです。
それだけではありません。
信に慶舎を討たれた恨みもあって、仇をとるべく士気が高まっていたのです。
これまで激闘を繰り広げた飛信隊。
体力からしても金毛軍が圧倒していました。
飛信隊が李牧軍に辿り着くことはないと、確信した金毛。
部下に指示を出します。
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「高月・多月、突撃だ!
中央でへばっている
飛信隊 信の首を取れっ」
原泰久『キングダム』612話より引用
信は舐められたと思ったのでしょう。
「ざけんな」と言って矛を振り回しますが、高月と多月の2人に行く手を阻まれてしまいました。
後方で指示を出していた河了貂。
尭雲を討った士気の高さで押し込めると予想していました。
ところが、想像以上に強い金毛軍。
河了貂は歯を食いしばり、焦ります。
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「でも、オレ達がここを抜かないと
秦軍は勝てない!!」
原泰久『キングダム』612話より引用
段茶が考えた作戦
飛信隊が苦戦している頃、後方で待つ亜光軍。
戦場を見て段茶は気付きました。
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「戦力が足りていない」
原泰久『キングダム』612話より引用
段茶が言う通り、玉鳳隊は今回一緒ではありません。
王賁が無理をしたため、少し休憩してからの参戦となるようです。
しかし、このまま見ているわけにもいきません。
段茶は亜花錦に指示を出しました。
「ここの軍の半分を率いて
飛信隊の援軍に行け、亜花錦
馬南慈はワシがくい止める」
なんと亜光軍自体を半分に分け、段茶が馬南慈を、亜花錦が金毛を相手にせよと言うのです。
理屈は分かりますが、簡単にできる事ではありません。
亜花錦は確認しました。
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「ここを止め、重要かつ大変だぞ
ちゃんと分かっておるか?」
原泰久『キングダム』612話より引用
「分かっておるわ、バカにするな!」と、苛立つ段茶。
でも、飛信隊が李牧を挟撃できなければ、秦軍に勝ち目はありません。
段茶は凛々しい表情をして「ここはワシに任せておけ」と言い切ったのです。
「ギッ」と笑う亜花錦。
この戦いが終わって帰ったら、倅に「立派な父だった」と話すと約束しました。
まるで、段茶が死ぬと決まっているような言い方。
亜花錦は余計な一言で段茶を怒らせたのでした。
なにより、段茶のところは倅ではなく5人の娘ですからね。
亜花錦は声をあげ、馬を走らせます。
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「行くぞ、亜光兵
最後の稼ぎ所にして
王翦軍第一軍の力
示す刻ぞ!!」
原泰久『キングダム』612話より引用
後方から、飛信隊に合流した亜花錦率いる亜光軍。
金毛は「くっ」と、悔しさを滲ませたのです。
頼もしいじゃないですか、段茶大将代理!
亜光軍は亜花錦が支えているのかと思いきや、段茶の存在感が大きくなってきました。
確かに、中央軍同士の戦いは互角の状態です。
飛信隊が間に合わなければ、秦軍の勝ち目はないでしょう。
愛娘達のためにも、段茶には頑張って欲しいところです。
『キングダム』ネタバレ612-613話のまとめ
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原泰久『キングダム』612話より引用
今回は、突然の龐煖登場と、意外にも良い動きを見せた亜光軍が印象的な回でした。
亜花錦は千人将ではありますが、実力は確かです。
只者ではない事は、命を顧みない今までの戦いぶりで証明されてきました。
彼の活躍がなければ、亜光将軍は救えなかったでしょうし、馬南慈を止めることだってできなかったはずです。
きっと、飛信隊にとっても頼もしい援軍となるでしょう。
ただ、飛信隊は金毛軍だけを相手にしているわけにもいきません。
龐煖がまさかのタイミングで再登場。
それも李牧の言い方では、確実に龐煖が信の前へ現れる展開となりそうです。
ただでさえ、これまでの激闘で信も疲労困憊。
こんな状態で、秦右翼は李牧中央軍を挟撃できるのでしょうか!?
次回の展開が待ちきれません!

⇒『キングダム』610話!最期まで藺相如と共に生きた尭雲・・