たった一人で龐煖に挑む羌瘣(きょうかい)。
前回は、羌瘣が龐煖(ほうけん)の背中を斬りつけたところで終わりました。
さて、李牧を目前にして立ちはだかる龐煖。
前進していた飛信隊も勢いがなくなり、多くの犠牲が出てしまいました。
龐煖は秦国の名武将、王騎(おうき)と麃公(ひょうこう)の命を奪っています。
武将ですら倒せなかった宿敵。
はたして、羌瘣ひとりで龐煖を仕留めるなど可能なのか!?
飛信隊は李牧に辿り着くことはできるのか!?
今回は、龐煖と羌瘣の一騎打ちの様子を詳しくご紹介していきます。
『キングダム』621話!のネタバレ
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原泰久『キングダム』621話より引用
それでは『キングダム』621話!の要点をまとめてみます。
時間のない場合、目次に内容をまとめていますので参考にしてみてください。
舞い降りた神
これは、龐煖を攻撃する少し前のお話です。
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原泰久『キングダム』621話より引用
騒がしい戦場の中、羌瘣は静かに呼吸を整えていました。
周りの音など届きません。
今は愛刀、緑穂(りょくすい)とだけ対話している状態です。
羌瘣は緑穂に求めました。
「もっと深くいこう」
羌瘣は暗殺一族の末裔。
一族に伝わる「巫舞(みぶ)」という、特殊な呼吸法を使って戦う事ができます。
羌瘣は今まで、幾度となく「巫舞」によって窮地を切り抜けてきました。
しかし、今度の相手は龐煖です。
武神と言われるほど、極みに立つ人物。
龐煖を倒すためには、今までで一番深いところまで辿り着かねばいけません。
羌瘣は緑穂と対話を続けます。
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「命を投げ出すほどに
深いところまで・・・」
原泰久『キングダム』621話より引用
まるで暗闇の海へ沈んでいくかのように、羌瘣は意識を深めていきます。
『トーン タンタン
トーン タンタン』
目を見開いた羌瘣。
彼女の体には“神”が宿っていました。
「古の闇 開闢の炎
汝の眼は何を宿す」
羌瘣の目が血走り、血の涙を流します。
「天を裂く白光
血を揺らす鼓動
汝の耳は何を刻む」
顔や首、腕や手に至るまで血管が炎のように浮き出てきます。
「人は迷いし土の器
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我は舞う 雷の神」
原泰久『キングダム』621話より引用
龐煖の前に立ったのは、いつもの羌瘣ではありません。
“雷の神”となった彼女が剣を向けていたのです。
「嗚呼、緑穂
血が逆巻く」
それからは一瞬の出来事でした。
矛を振り回す龐煖をくぐり抜け、羌瘣は宙を舞いながら背中を斬りつけたのです!
渕副長や楚水も唖然。
周囲は目の前の光景に驚愕していました。
通常であれば、龐煖に近づくだけでも至難の技。
ところが、羌瘣はたった一人で龐煖と互角に戦っていたのです!
神堕としと武神の戦い
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原泰久『キングダム』621話より引用
羌瘣は、身軽に地面に降りては宙を舞って攻撃。
次々と龐煖を斬りつけていきます。
しかし、武神も黙っていません。
羌瘣を睨みつけ、矛で攻撃しようとしますが!
矛を握る薬指と小指を切断されてしまいました。
驚異的な攻撃力。
見ていた渕副長は思いました。
「いっ、いけるっ」
しかし、楚水は気付きます。
羌瘣が地面に降りた時、苦渋の表情をしていることに。
それどころか、口からは血を吐いていました。
緑穂にも亀裂が入っていきます。
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原泰久『キングダム』621話より引用
龐煖と戦うために、彼女はどれだけ無理をしているのか。
戦いを見ている飛信隊はすぐに気付いていました。
でも、羌瘣は歯を食いしばり、攻撃を止めません。
再び宙へと舞い上がり、今度は右肩を斬りつけます。
龐煖の体から血が噴き出し、衝撃からよろめいて跪きました。
これならいけると思ったのでしょう。
田永や渕副長が涙を流しながら応援します。
「いけ、羌瘣!」
「いけっ、いけェっ」
ところが、羌瘣の猛撃は長くは続きませんでした。
跪いた時に、龐煖が見た自分の手。
指が2本なくなっています。
龐煖の目は血走り、羌瘣を睨みつけました。
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「ふざけるな!!」
原泰久『キングダム』621話より引用
羌瘣を矛で攻撃!
龐煖の攻撃を慌てて受け止めますが、パワーでは太刀打ちできません。
羌瘣は体ごと投げ出され、地面へ転がっていきます。
ただ、それでも彼女は諦めません!
態勢を立て直し、すぐに立ち上がります。
顔を上げ、龐煖を睨みつける羌瘣。
龐煖は言いました。
「吠えるな
“神堕とし”の分際で
貴様こそ所詮は“器”
宿す者ではない」
要するに、龐煖からすれば、羌瘣に神など宿っていません。
思い込むことで“神”になりすました程度。
だから、羌瘣の体は器に過ぎず、お前自体が強くなったわけではないと言いたいのでしょう。
羌瘣が命懸けで自分を追い込み、辿り着いた境地。
でも、龐煖はすでに到達しているどころか、強さは神そのものでした。
龐煖は鬼の形相で言い切ったのです。
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「我・・・
武神龐煖也」
原泰久『キングダム』621話より引用
追い込まれた羌瘣
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原泰久『キングダム』621話より引用
再び攻撃し合う両者。
あまりの速さに、周囲は唖然としてしまいます。
まるで何本も腕があるかのように攻撃しつつも、見事に相手の攻撃を回避。
龐煖と羌瘣、両者譲らない状態で攻防が続きます。
本当であれば、周囲にいる仲間も手助けしたいでしょう。
しかし、常人では手出しできない程のスピード。
下手に手を出せば、逆に足手まといになるだけです。
出来ることと言えば、ただ応援するのみ。
田永は涙を浮かべながら叫びました。
「いけ、羌瘣!」
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原泰久『キングダム』621話より引用
みんなの期待に応えるかのように、羌瘣の攻撃が続きます。
ところが、龐煖の頭上を舞っていた時でした。
突然、左足首を掴まれたのです!
龐煖はそのまま力強く、羌瘣を地面へと叩きつけました。
衝撃で口から血を噴き出します。
それでも、龐煖は攻撃を止めません。
足首を掴んだまま高く振り上げ、再び地面へと叩きつけます。
周囲に響き渡る鈍い音。
渕副長の目から涙が流れました。
もう傍観しているなんてできません。
「や、やめっ・・・」
渕副長が呼び止めようとしますが、羌瘣は諦めていませんでした!
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原泰久『キングダム』621話より引用
足首を掴まれたまま宙へと舞い上がった時、羌瘣の目は龐煖を捉えます。
そのまま、矛を握っている左腕を攻撃!
緑穂が龐煖の腕を貫通しました。
追い込まれてもなお、攻撃を止めない羌瘣。
ところが、龐煖には通じていなかったのです。
「土に還れ、神堕とし」
そう言うと、龐煖は再び羌瘣を地面へと叩きつけました。
骨が折れたのでしょう。
羌瘣の掴まれた足首からは、鈍い音が鳴ります。
振り上げては、地面に叩きつける。
龐煖は何度も繰り返しました。
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原泰久『キングダム』621話より引用
意識を失った羌瘣。
握っていた緑穂も手から離れ、どこかへ飛んでいってしまいました。
地面に叩きつけられる度、顔から血が飛び散ります。
ここまで追い込まれた彼女を見た事がありません。
愛刀も失って、人形のように振り回される羌瘣。
応援していた仲間達の目からは、涙が流れていました。
このままでは羌瘣が死んでしまいます!
見ていられなくなった飛信隊。
止めるべく、先頭を田永と田有が走り出しました。
ところが、何かに気付いた龐煖。
いきなり羌瘣を投げつけてきたのです。
飛信隊の隙間をくぐり抜け、羌瘣を受け取ったのは信。
顔を上げずに、悔しそうに歯を食いしばっていました。
『キングダム』ネタバレ621-622話のまとめ
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原泰久『キングダム』621話より引用
今回は、命を捨ててでも龐煖に挑む羌瘣が印象的な回でした。
飛信隊の中でも、羌瘣は一番強いと言ってもいいくらいの人物です。
さらに、特殊な呼吸法を使えば無敵状態。
敵う相手などいない印象でした。
ところが、龐煖は羌瘣が辿り着いた境地など通り過ぎており、矛を使わずに圧倒。
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原泰久『キングダム』621話より引用
まるで信を挑発するかのように、羌瘣を投げつけてきました。
これは宣戦布告とも言える行為ですよね。
ただ、信も深手を負っています。
無残な羌瘣の姿を見て怒りに震えても、気持ちだけで勝てる相手ではありません。
たくさんの犠牲を払って、李牧本陣に辿り着いた飛信隊。
あとは李牧の首を取るだけなのに、信の前に龐煖が立ちはだかります。
信は武神を倒すことができるのか!?
命を削ってまで戦った羌瘣は生きているのか!?
次回の展開が心配でなりません!
