龐煖を倒した信。
前回は喜んでいたのも束の間、信が倒れたところで終わりました。
さて、最後に立ちはだかった龐煖を撃破。
残すは、鄴へと向かった李牧を倒すだけです。
ところが、龐煖を倒すために力を使い果たしたのか、信から返事がありません。
夢を叶えるため、仲間のため、信は命を削って戦い続けました。
大将軍を約束されている主人公が命を落とすなど、ありえるのでしょうか!?
今回は、信の異変に気づいた仲間の様子を詳しくお届けしていきます。
『キングダム』629話!のネタバレ
それでは『キングダム』629話!の要点をまとめてみます。
時間のない場合、目次に内容をまとめていますので参考にしてみてください。
田里弥の誤算
![]()
原泰久『キングダム』629話より引用
丘の上をみた蒙恬。
さきほどまでいたはずの李牧の姿がありません。
隣にいた王翦は呼びました。
「田里弥(でんりみ)」
すると、田里弥は意気揚々と次の作戦を話し始めます。
李牧陣は王翦軍に対抗するため、総力をぶつけました。
そのため、李牧を守るための遊軍がほとんどいない状態。
守る陣がないということは、李牧の首を取りやすいということ。
田里弥はすでに小隊を複数裏に送っていました。
遊軍がいなければ、少数でも李牧の首を取ることは可能でしょう。
![]()
原泰久『キングダム』629話より引用
万が一、小隊が李牧を逃がしたとしても、近くには右翼の大隊がいます。
飛信隊が全力で追えば、確実に李牧を潰すことができるはず。
田里弥からすれば、功績を飛信隊に取られるのは癪ですが、秦軍が趙軍に勝つには仕方ないといえました。
心配そうに飛信隊を見つめる蒙恬と王賁。
田里弥は説明しながら、何かに気づきました。
王翦は再び力強く呼んだのです。
「・・・田里弥」
田里弥は慌てて部下に指示をだしました。
「丁雨(ていう)
右翼に走れ!急げ」
丁雨は急いで馬を走らせます。
いつもであれば、飛信隊はすぐにでも李牧を追いかけるはずです。
ところが、飛信隊は一切動いていませんでした。
李牧の首を狙える千載一遇のチャンス。
田里弥は驚きを隠せませんでした。
![]()
「バカな・・・
なぜ李牧を追わぬのだ
飛信隊・・・」
原泰久『キングダム』629話より引用
錯乱する飛信隊
田里弥が疑問に思っている頃、飛信隊は李牧どころではありませんでした。
龐煖を倒したあと、意識を失ったかのように倒れた信。
![]()
原泰久『キングダム』629話より引用
周りにはたくさんの仲間が集結し、涙を流していたのです。
信を抱えて名を呼ぶ尾平。
渕副長や楚水も近くにいます。
少し後方には、呆然とする河了貂がいました。
尾平は叫ぶように呼びかけます。
![]()
「信っ、起きろ
お前っ、ふざけてんじゃねェぞ」
原泰久『キングダム』629話より引用
激しく信の体を揺らす尾平。
体によくないと思ったのでしょう。
楚水が尾平を止めました。
見ていられなかった田永。
力づくでも信を起こそうとします。
「どけ、尾平!
俺がぶっと飛ばして
目を覚ましてやる」
拳を握った田永を、田有と楚水が慌てて止めました。
錯乱するのも無理はありません。
田永は信が死ぬなど信じられなかったのです。
近くで田永が暴れるので、尾平は押されるように倒れました。
![]()
原泰久『キングダム』629話より引用
すると、信はまるでマネキンのように地面へと転がったのです。
周りにいた仲間は言葉を失いました。
信は本当に死んでしまったのでしょうか?
静まり返る戦場。
渕副長はショックのあまり、突然嘔吐します。
みんなが動揺するなか、信に近づいたのは崇原(すうげん)でした。
最初は信の手首を。
次に首を触って脈を確認します。
崇原はつぶやきました。
「・・・心臓も動いてないし・・・
もう・・・冷たくなっている・・・」
唖然とする尾平と楚水。
田永は信じられず叫びました。
「だっ、だからどうしたってんだよ
崇原、てめェっ・・・」
崇原は田永の方をみて、涙を流して叫んだのです。
![]()
「死んだっ
信は死んだんだ!」
原泰久『キングダム』629話より引用
受け入れられない現実。
田永は怒りながら、崇原を殴りました。
ほかの仲間も呆然としたあと、その場に倒れ込み泣き叫んだのです。
亜花錦からみた飛信隊
少し離れた場所で、飛信隊をみていた亜花錦。
部下は動かない飛信隊をみて、怒りをあらわにします。
![]()
「何だ!?
なぜ飛信隊は動かぬ!?
李牧を逃がすぞ」
原泰久『キングダム』629話より引用
亜花錦は冷静に答えたのです。
「隊長 信が・・・
倒れたようだ」
しかし、部下は納得できません。
隊長が戦場で倒れるなど、よくある話です。
李牧を追わない理由にはなりません。
副長さえ生き残っていれば、隊は動くはずです。
すると、亜花錦は予測できていたのでしょう。
部下の疑問に平然と答えます。
![]()
「信が倒れたら、あの隊は動けぬ
飛信隊はよくも悪くもそういう隊だ」
原泰久『キングダム』629話より引用
ニヤリと笑う亜花錦。
動けない隊を頼りにしていても仕方ありません。
亜花錦隊は、李牧を獲って功績をあげるべく馬を走らせたのです。
軍隊の後方で戦っていた飛信隊の新人たち。
先に進もうとしますが、ほかの兵士が邪魔で前へ進めません。
干斗(かんと)たちの元にも、信が死んだ情報は伝わっています。
でも、干斗は自分の目で確認するまで信じられませんでした。
「絶対間違いだ
隊長が死ぬわけねェ」
少し離れた先では、沛浪(はいろう)が先に進めず苛立っていました。
馬に乗ったままでは先に進むことはできません。
沛浪は馬からおりて信の元へ急いだのです。
信の周りには、飛信隊が円を描くように全員集まっていました。
どんなに名前を呼んでも、どんなに叫んでも、信から返事は返ってきません。
それでも、田永は諦めず名前を呼び続けます。
涙と鼻水で顔はもうぐちゃぐちゃ。
しかし、田永は信を見つめたま、諦めきれずに声を絞り出して言いました。
![]()
「お前が死んだら
俺達はどうすりゃ・・・
飛信隊はどうすりゃいいんだよ」
原泰久『キングダム』629話より引用
田永の悲しそうな表情。
那貴は驚いた表情のまま。
我呂は歯をくいしばって涙を流します。
いつもは冷静な楚水。
頭を抱えて涙を流し、地面へと倒れ込みました。
駆けつけた沛浪たちも涙を流しています。
覚悟を決めた羌瘣
悲しさに包まれた飛信隊。
信の元へ河了貂が近づき、跪いてささやくように話しかけました。
![]()
「・・・信?
田永の言う通りだよ
早く起きないと
全部終わっちゃうよ?」
原泰久『キングダム』629話より引用
河了貂の言葉に、仲間は全員耳を傾けます。
ここまで辿り着くのに、どれだけ頑張ってきたことでしょうか。
仲間もたくさん命を落としました。
でも、ずっとみんなで信を応援してきたのです。
辛いこともたくさんありました。
でも、みんな信のことが大好きだから、ここまで頑張ってこられたのです。
大将軍になるという信の偉大な夢。
飛信隊全員が叶えてあげようと、命懸けで戦ってきたのです。
ここで夢破れるというのでしょうか?
河了貂は穏やかに呼びかけます。
「だから起きないと、信」
肩を揺らしても、信は表情一つ変わりません。
静かに話しかけていた河了貂。
堪えていた涙が溢れ、震える声で再び呼びかけます。
![]()
「だって・・・
なってないじゃん・・・
まだ天下の大将軍になってないじゃん」
原泰久『キングダム』629話より引用
軍師として、河了貂は信を支えてきました。
いや、飛信隊全員が信を支えてきました。
でも、支えて来た信が返事をしてくれません。
笑って励ましてくれることもありません。
河了貂は今までの思いが溢れ、涙を流して泣き叫んだのです。
「お、置いていかないでよ
起きてよ、信っ
うあああああ」
未だかつてない絶望。
飛信隊は柱を失い、完全に再起不能の状態に陥っていたのです。
信がいなくなった今、もう奇跡を起こすなど無理でしょう。
誰もが絶望し、戦場に泣き叫ぶ声だけが響き渡りました。
すると、後ろから呼びかける声がしたのです。
「どけ、河了貂」
![]()
原泰久『キングダム』629話より引用
河了貂が後ろを振り向くと、立っていたのは羌瘣。
満身創痍の体を引きずり、決意した表情で信をみつめていました。
『キングダム』ネタバレ629-630話のまとめ
今回は息を引き取った信に対して、飛信隊の思いが溢れ出した回でした。
崇原が実際に確認して息をしていなかったのです。
信が命を落としたのは確実でしょう。
今まで飛信隊が窮地でも這い上がれたのは、信の影響が大きかったのは間違いありません。
隊長が倒れたことにより、飛信隊の弱さが浮き彫りになったような気がします。
ただ、注目すべきは羌瘣の反応です。
![]()
原泰久『キングダム』629話より引用
飛信隊全員が涙を流すなか、羌瘣だけは厳しい表情をしていました。
いくら羌瘣でも、人を生き返らすなど不可能なはず。
はたして、信は夢破れたまま終わってしまうのでしょうか!?
予想できない大波乱の展開に、次回は奇跡が起きることを願います!

⇒『キングダム』628話!命を削って龐煖を倒した信の末路・・
⇒『キングダム』627話!龐煖が最期に気づいた残酷な真実・・