鄴陥落に成功した秦軍。
前回は、兵糧攻めの影響で、鄴に食料が一切ないと判明したところで終わりました。
さて、食糧問題を解決するべく、作戦がある様子の王翦。
しかし、現在いる場所は敵地。
さらに、あとから後続軍も合流する予定です。
兵士が増える上に食糧がない、まさに餓死と隣り合わせの状態。
はたして、王翦はどのような方法で食糧を補給するつもりなのか!?
今回は、鄴以外の場所で奮闘する仲間の様子を中心にお届けしてきます。
Contents
『キングダム』636話!のネタバレ
それでは『キングダム』636話!の要点をまとめてみます。
時間のない場合、目次に内容をまとめていますので参考にしてみてください。
後続軍との再会
どこまでも続く広大な大地。
平地を震える足で進む後続軍の姿がありました。
残りの食料は全て、李牧を追う精鋭隊に渡しています。
後続軍は飲まず食わずの状態で鄴を目指していました。
![]()
原泰久『キングダム』636話より引用
空腹のあまり、体力は限界に近いのでしょう。
尾平はその場に激しく倒れます。
驚く周囲。
慶(けい)と昂(こう)が心配して尾平に話しかけます。
「構わず先に行ってくれ」という尾平。
仕方ないので、慶と昂が尾平に肩を貸してくれることになりました。
気持ちが折れないように、周りに呼び掛ける渕。
全員が満身創痍の体を引きずって歩きつづけます。
すると、一人の兵士が叫びました。
![]()
「見ろっ、鄴だ」
原泰久『キングダム』636話より引用
空腹も気持ちも限界に達した頃、やっと視界に鄴が入ってきたのです。
泣いて喜ぶ兵士たち。
城壁の上には秦軍の旗が上がっています。
状況が分からない後続軍も、すぐに鄴が落ちたのだと理解しました。
喜びも束の間、城門から三騎飛び出します。
近づいて来たのは、信、楚水、田永の3人でした。
仲間の姿を見て駆けつけてくれたのです。
さきほどまで死にそうだった尾平。
走る力は残っていたのか、信をみて走り出します。
飛信隊全員が信の元へ駆け寄り、再会を喜びました。
後続軍がやっと鄴に到着。
大きな城門を通過して入城します。
げっそりした渕が、信へ状況を説明。
![]()
原泰久『キングダム』636話より引用
食糧がなかったため、軍馬を全部肉にして食べたそうです。
後続軍の数は四万。
途中で田里弥(でんりみ)軍から配給もありましたが、量はわずか。
飢えをしのぐために、全軍が軍馬を食べて耐えていたのです。
そのため、怪我をした者は途中で命を落としていました。
神妙な表情で話を聞く信と河了貂。
ただ、羌瘣に限っては、竜川が背負ってきてくれたため無事でした。
今は建物の中で眠っているそうです。
状況を説明し終わったところで、尾平は食べ物を要求。
飲まず食わずで歩いて来たのです。
しっかりと食べて体力をつけたいところですよね。
ところが、到着して配られた物といえば、一口分の食べ物と水だけ。
これでは元気がでません。
鄴は大きな城なだけに、尾平たちはたくさん食糧があると思っていたのです。
黙る信、河了貂、楚水の3人。
気まずそうに信は言ったのです。
![]()
「それが、実は・・・
全く無ぇんだよ」
原泰久『キングダム』636話より引用
尾平たちは驚きを隠せませんでした。
残された食糧の補給方法
食糧がないのは死活問題。
今後を話し合うために、ある一室では軍議が行われていました。
集まったのは王翦軍からは王翦、田里弥、倉央。
桓騎軍からは桓騎、摩論、黒桜の姿がありました。
地図を広げて、状況を摩論が説明します。
![]()
原泰久『キングダム』636話より引用
まず、鼻の利く桓騎軍が貴族の屋敷内を捜索。
貯えを探しましたが、予想以上に食糧は残っていませんでした。
やはり、趙季伯という城主は優秀な君主だったのでしょう。
中枢の隠し蔵まで難民に解放していたのです。
そして本日、朱海平原から残りの軍も合流しました。
いよいよ食糧は全てなくなってしまいます。
本来であれば、李牧軍は疲れ切った後続軍を攻撃していたはず。
しかし、餓死を狙ってあえて手を出さなかったのです。
軍全体を食べさせる一食分すら残っていません。
空腹で耐えられる日数など、もって二日程度。
体力がなくなれば、たとえ鄴の城壁があろうとも李牧軍に攻められたら防げません。
つまり、残った方法は外部から食糧を補給するのみ。
摩論は念押しします。
![]()
「しかし、それを
あの李牧が黙って許すはずがありません」
原泰久『キングダム』636話より引用
摩論の予想通り、鄴の様子を離れた場所で李牧が見ていました。
王翦軍が全て鄴へ入ったことを確認。
次の作戦を考えているようです。
そこへ、部下から伝達が届きました。
部下の説明では、橑陽(りょうよう)城の包囲に唐利(とうり)軍が加わったそうです。
現在、趙国内では橑陽城を楊端和と壁が占拠。
鄴城を王翦と桓騎が占拠した状態になっています。
橑陽城は食糧が残っていたので、餓死を心配する必要はありません。
しかし、城の周りを趙軍が包囲。
そこへ趙国の唐利軍が加わった状態になります。
これでは、楊端和軍が外に出ることができません。
要するに、楊端和軍が鄴へ食糧を送ることなどできないのです。
となれば、残る方法は秦国からの補給のみ。
李牧は地図にある列尾(れつび)を指差します。
部下は叫びました。
「列尾越え・・・!」
李牧が指摘した通り、鄴にいる秦軍を救うためには、秦国から列尾を越えて食糧を届けるしかなかったのです。
先に動いていた昌平君
秦国、咸陽の城内。
部下が慌てて報告に来ました。
![]()
原泰久『キングダム』636話より引用
鳥の知らせによって、やっと王翦軍の状況が分かったのです。
部下は叫びました。
「繰り返します
鄴を王翦軍、桓騎軍がっ
奪い取りましたァ」
思わず立ち上がる政。
周囲からは歓声があがります。
その場には昌文君や昌平君、蒙恬の弟である蒙毅(もうき)の姿もありました。
しかし、政は喜ぶ文官たちを一蹴します。
「いや、喜ぶのはまだ早い」
政の言う通りです。
鄴を落とせても、王翦軍がいる場所は敵地。
安心できる状況ではありません。
王翦軍もまた列尾を越えて趙国の領土内へと潜入。
本来であれば、列尾に秦軍の一部を置いていくはずだったのです。
ところが、王翦の判断で全軍奥へと前進。
全軍で動いたおかげで朱海平原では勝利できましたが、列尾城は再び趙軍の手に落ちていました。
となれば、鄴と橑陽は孤立状態。
![]()
原泰久『キングダム』636話より引用
どちらも必ず食糧問題に陥ることは目に見えていたのです。
政の考えに同意する軍総司令の昌平君。
届いた情報が「陥落」だけなので、どのように鄴を落としたのかは分かりません。
ただ、鄴の趙軍が食糧を焼いた可能性もあると判断。
最悪の場合を想定して、昌平君はすでに次の指示を出していました。
政は昌平君に尋ねます。
「あの軍は今どこまで・・・」
昌平君はハッキリと答えました。
「・・・すでに
補給軍は列尾に迫っている頃かと」
介億の作戦
餓死を心配して秦国が送り込んだ補給軍。
先頭に立つのは大将、介億(かいおく)でした。
後ろには山積みになった俵。
一つの荷台に食糧が入った俵が計30個ほど。
二頭の馬が一つの荷台を引っ張っていました。
そんな荷台が長蛇の列をなして、列尾付近まで来ていたのです。
介億は部下に指示。
![]()
「補給部隊はここに留めよ
前線部隊は攻陣配置
列尾攻めを始めるぞ!」
原泰久『キングダム』636話より引用
部下はいっせいに攻撃態勢に入ります。
兵一万の介億軍に対して、敵の趙軍も同じ兵一万。
趙軍はなぜか籠城せずに、迎激しようと列尾城の前で隊列を組んでいました。
さらに、城内にも兵がいる様子。
趙軍は増援をしたため必ず勝つ自信があるようです。
対して、介億軍も配置完了。
いつでも先手を打つことができます。
ところが、介億は敵の大将を見て様子をみようと判断。
![]()
原泰久『キングダム』636話より引用
なぜなら、敵は邯鄲(かんたん)の守護者、扈輒(こちょう)将軍だから。
強い敵だけに、相手の出方をみようとしたのです。
しかし、扈輒軍も動く気配がありません。
「始めますか」と意気込む扈輒の部下。
すると、扈輒は静かに答えたのです。
「まだよい
まずは奴が始める」
扈輒が言う「奴」とは一体誰なのでしょうか?
介億軍の後方では、補給部隊が兵糧を運んでいます。
すると、横から突如大軍が登場!
突然の敵襲に秦軍は慌てます。
明らかに狙いは補給部隊。
兵糧を取られたら意味がありません。
秦軍は急いで兵糧を守ろうと戦い始めます。
まさかの伏兵。
介億にとっても予想外でした。
補給部隊の前に現れた趙将軍は、舜水樹(しゅんすいじゅ)でした。
扈輒が言う「奴」とは舜水樹のことだったのです。
容赦なく放たれる火矢。
俵は次々と燃えていきます。
舜水樹は言いました。
![]()
「全て燃やせ
鄴へは一粒も行かせぬぞ」
原泰久『キングダム』636話より引用
宣言通り、兵糧は次々と燃やされていきます。
ところが、俵を斬った一人の兵士が気づきました。
「なっ・・・かっ・・・
空!?俵の中が・・・
空だぞ!?」
なんと大量に運んでいた俵の中身は空!
介億はヒゲを触りながら「ニィ」と笑ったのです。
『キングダム』ネタバレ636-637話のまとめ
今回は、知らせがなくとも動いていた秦国、奮闘する補給部隊が印象的な回でした。
橑陽にいた舜水樹も、このタイミングで登場するとは思いませんでしたね。
![]()
原泰久『キングダム』636話より引用
ただ、気になるのは、今回の動きはあくまで昌平君の指示によるもの。
635話の終わりでは、王翦が食糧問題を解決したと言っていました。
そうなると、介億と王翦は何か繋がりでもあるのでしょうか?
本当の兵糧、つまり食料はほかの方法ですでに運んでいる可能性が大きいです。
列尾越え以外で、兵糧を鄴へ運び込むことなど出来るのか!?
驚くべき列尾の突破方法とは一体!?
次回がとても楽しみです!

⇒『キングダム』638話!餓死寸前の秦軍を救った助け船の正体・・
⇒『キングダム』637話!昌平君に衝撃を与えた王翦の頼み・・
⇒『キングダム』634話!鄴陥落を確信していた桓騎と王翦・・