待ちに待った論功行賞。
前回は、李信・蒙恬・王賁の3人が将軍に任命されたところで終わりました。
さて、ついに将軍になれた李信。
これまでよりも多く命を将軍として預かる身となります。
将軍の判断が勝利を左右し、秦国の命運すら動かすことになるでしょう。
天下の大将軍への道は始まったばかり。
将軍となった信は、さらなる功績を残すことができるのか?
そして、趙国の王都・邯鄲を陥落させる方法とは!?
今回は、規模が大きくなった飛信隊の構成と邯鄲の様子を中心にお届けしていきます。
Contents
『キングダム』643話!のネタバレ
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原泰久『キングダム』643話より引用
それでは『キングダム』643話!の要点をまとめてみます。
時間のない場合、目次に内容をまとめていますので参考にしてみてください。
飛信隊の構成
信が将軍となって嬉しかった隊員たち。
任命された夜。
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原泰久『キングダム』643話より引用
信の屋敷では三日三晩宴が続きました。
ただし、これは束の間の休息。
宴が終わってからは、忙しい日々が続きました。
信が将軍になったことで、飛信隊の規模が大きくなったからです。
飛信隊の構成隊員は一万人。
羌瘣隊を含めると、一万五千人になるほどでした。
おおまかに構成を確認しておきましょう。
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原泰久『キングダム』643話より引用
李信将軍を筆頭に、軍師は河了貂。
副長の羌瘣は五千人将へ。
同じく副長の渕・楚水は千人将。
岳雷・我呂・那貴は各隊となり、三人とも千人将になります。
歩兵長を務めるのは崇原。
田有・崇原は千人将。
田永は五百人将になります。
副歩兵長となるのは沛浪で、五百人将へ。
その下に、百人将となる竜有・尾平・中鉄が続きます。
ほかにも、五百人将の竜川。
二百人将の澤圭。
弓部隊には仁と淡。
偵察部隊は石となります。
兵数だけなら、もはや軍となった飛信隊。
実戦に備えて訓練を繰り返していました。
そして、1ヶ月後。
軍総司令の昌平君から号令があり、飛信隊は出陣していったのです。
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原泰久『キングダム』643話より引用
向かった先は、秦国の新領土。
対趙国で最大拠点となった「鄴(ぎょう)」でした。
ゾロゾロと歩いていく飛信隊。
後方にいるのは、百人将となった尾平。
いつもよりヘアスタイルはきっちり。
緊張した面持ちで歩いています。
尾平の両隣には、同じく緊張した様子の慶(けい)と昻(こう)の姿がありました。
冷静に考えてみれば、あの尾平が百人将。
もしかしたら、信が将軍になれたことよりスゴイことかもしれません。
きっと尾到も喜んでいるでしょう。
ところが、尾平は嫌な汗をダラダラ流しながら言いました。
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「帰りたい」
原泰久『キングダム』643話より引用
一番驚いているのは、尾平本人。
自分が百人将なんて、さすがにやりすぎだと感じたようです。
むしろ、百人の命を隊長として預かるなんて無理!
弱音を吐いたと思えば、辞退したいと申し出る始末。
最終的には、その場で吐いてしまいました。
少しでも安心させようと、力自慢の惇(とん)兄弟が筋肉アピール。
余計ややしいことになると、慶が止めに入ります。
尾平が泣きべそをかいていると、離れた場所にもう一つの軍が見えました。
風になびく旗をみてみると、軍の正体は蒙恬率いる楽華(がくか)だったのです。
鄴へと向かう若き将軍たち
信と蒙恬は互いに近づき挨拶。
お互いを笑いながら「将軍」と呼び合います。
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原泰久『キングダム』643話より引用
蒙恬は髪をバッサリ切ったようですね。
見た目が大きく変わりました。
さらに、蒙恬の隣は見知らぬ顔が。
新しく副長になった愛閃(あいせん)でした。
蒙武軍から移って来たようです。
蒙恬は簡単に信へ愛閃を紹介。
お互いに近況を話し始めます。
飛信隊と同じく、楽華も鄴へ向かっていました。
玉鳳も一日遅れで向かうようです。
将軍となった三人の軍を合わせれば三万五千人。
自分達が一気に動けば、どこかと戦争ができてしまうほどの人数でした。
信は「将軍」になれたことが嬉しくて仕方ないのでしょう。
ドヤ顔が止まりません。
ただし、信が目指すのは天下の大将軍です。
二人の前で、高々と宣言。
蒙恬は笑っていますが、愛閃は無反応。
愛閃は口数が少ない、クールなタイプのようですね。
雰囲気としては羌瘣にそっくりです。
将軍に任命されてから、初めての出陣。
蒙恬は“高揚”と“緊張”の両方がせめぎ合っているようです。
あまり緊張することのない蒙恬ですが、今回ばかりは別。
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原泰久『キングダム』643話より引用
いよいよ王都邯鄲の攻略。
趙国をこれから滅ぼそうとしているわけです。
緊張するのも無理はないでしょう。
ちなみに、信は高揚のみ。
「やったるぞ」と気合い十分でした。
信らしい返事ですが、簡単にはいかないと蒙恬は念押しします。
趙国は、李牧が連行されたと分かると、国の半分を明け渡して後退。
つまり、趙軍の多くはダメージを受けず健在のまま邯鄲に集結。
王都を厚く守っている状態になります。
さらに、邯鄲の周囲には“武安(ぶあん)”や“番吾(ばんご)”という強力な城が二つありました。
鄴をうまく使って、邯鄲陥落を狙った大戦略を展開しなければいけません。
なにより、今が絶好のチャンス。
李牧が未だに牢に繋がれたままでした。
趙の要といえる李牧が動けない時こそ、秦軍は攻め込むべきといえます。
李牧が死刑になるという噂は、信や蒙恬も知っていました。
蒙恬からすれば、死刑になるなら好都合。
しかし、信は不服でした。
王騎将軍を倒したのは李牧です。
信は言いました。
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「李牧を討って
天下の大将軍になるんだ!」
原泰久『キングダム』643話より引用
信の気持ちは分かりますが、蒙恬は納得できません。
李牧が死刑になれば、秦軍は数万の兵の命が救われるでしょう。
もしも死刑にならなければ、李牧が再び指揮をとり趙軍が反撃開始。
多くの兵士が命を落とすことになります。
それは信も分かっていますが、将軍となった以上、軽々しく言うべきことではありません。
蒙恬は信に対して「分かっているなら言うな」と注意しました。
敵とはいえ、李牧が誰よりも国のために戦ってきたのは事実。
蒙恬は李牧を敬服していました。
それなのに、まさかの死罪。
あまりにもかわいそうな人だと、同情していたのです。
先生である昌平君の話では、李牧の死刑執行は時間の問題。
信は蒙恬の話を聞きながら、悔しそうに舌打ちしていました。
李牧を探す舜水樹
趙国王都、邯鄲の城内。
時刻は深夜。
あるお屋敷に、忍びのような姿をした集団が侵入していきます。
ふと目を覚ました主。
すると、周りには集団に捕らえられた家族の姿が!
自身の首にもナイフを突きつけられています。
襲撃した集団の要求はただ一つ。
李牧がいる地下牢の所在を知りたいだけでした。
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原泰久『キングダム』643話より引用
言わなければ、子供達の目をえぐり出して殺すと脅してきたのです。
動揺する主。
子供が殺されそうになって、慌てて白状しました。
「まっ、待て
北喜(ほくき)だ
北喜殿の地下だ」
主の情報を元に、北喜殿に行ったのはカイネ達でした。
はしごを使って屋敷内に侵入します。
カイネの脳内は、李牧のことでいっぱい。
早く助けようと必死だったのです。
言われた場所に向かうと、確かにあった地下牢。
急いで階段をおりていくと、部屋で待ち構えていたのは王都兵!
カイネは叫びます。
「罠だ、戻れっ」
王都兵から容赦なく放たれる矢。
カイネは剣を振り、どうにか急所を外すことに成功。
しかし、数人の仲間が犠牲となってしまいました。
そのまま王都兵とカイネ達が激突。
同じ趙国の者同士でありながら、戦いが始まってしまいます。
ほかの屋敷にいた舜水樹。
部下から、北喜殿の地下は虚報。
カイネ達が伏兵に遭って危険だと報告を受けます。
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原泰久『キングダム』643話より引用
ならばと、十騎を連れて自らカイネ達を助けに向かいました。
舜水樹たちが襲撃した屋敷の主、晋儀はさらし首にされてしまいます。
北喜殿で繰り広げられる激しい攻防。
こういった暴動は、邯鄲城内のいたる場所で起きていました。
李牧を救出するために、舜水樹を筆頭に腹心達が武力行使。
舜水樹自身は、国内の要人を派手に殺めていました。
なぜなら、もし李牧を死刑にすれば、本気で戦を始めるという警告でもあったのです。
対して、朝廷側も黙ってはいません。
王都の兵を動員して応戦。
互いに血を流す内戦状態となっていました。
郭開による企み
アジトへ戻って来たカイネ達。
傷だらけで立っているのがやっと。
カイネも血だらけで、力尽きたようにその場に倒れてしまいます。
血を吐いても、涙を流しながら思うことは李牧のこと。
悔しそうに歯を食いしばります。
すると、そこへ仲間が報告に来ました。
淋大臣の屋敷を襲った隊によると、李牧は東呉(とうご)殿にいるそうです。
コロコロ変わる李牧の居所。
もうどの情報が本当か分かりません。
もしかしたら、罠である可能性もあります。
ほかの仲間が詳しく調べてから向かうように促しますが、カイネは黙っていませんでした。
「て・・・手当を・・・
東呉殿にの地下へ行く・・・」
驚く仲間。
どう考えても、そんな体で向かうのは無理です。
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原泰久『キングダム』643話より引用
休むように勧めますが、カイネは聞きません。
ボロボロと涙を流しながら叫びます。
「うるさい
さっさと手当だっ」
腹心達が命がけで李牧を探していた頃、悼襄王(とうじょうおう)は優雅に入浴中でした。
広々とした室内に大きなお風呂。
悼襄王が湯に浸かっている周りでは、美少年達が楽しそうに泳いでいました。
近くには、郭開(かくかい)が頭を下げて座っています。
悼襄王は尋ねました。
「まだ殺らんのか、李牧を」
どうやら、悼襄王としては早く李牧を処刑したくて仕方ないようです。
しかし、まだ執行しないのには理由がありました。
郭開の予想では、もう少し李牧兵を削らなければ、主を失った腹心達が攻め込んで来るはず。
そうなれば、悼襄王が危ないというよりは、郭開自身が危なかったのです。
郭開は大王の手足となる存在。
虚報を流したのも、地下に伏兵を仕込んだのも、全ては郭開によるものでした。
李牧兵も少しずつ減って来ています。
郭開は不敵な笑みを浮かべて言いました。
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「あと少しです
全ては、この郭開にお任せを」
ニヤリと笑う悼襄王。
酷いやり方で李牧を処刑する気のようです。
むしろ、邯鄲の大衆の面前で、末代まで語り継がれる殺し方をしようと考えていました。
悼襄王は想像しながら高笑い。
郭開も「楽しみです」と返事。
うごめく黒い欲望。
趙国の運命が大きく狂い始めていたのです。
『キングダム』ネタバレ643-644話のまとめ
今回は、規模が拡大した飛信隊が頼もしく感じる一方で、歪んでいく趙国が印象的な回でした。
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原泰久『キングダム』643話より引用
悼襄王の揺るぎない自信とおぞましい欲望。
クズとしか言いようがない大王が生き残り、なぜ国のために戦った李牧が処刑されなければいけないのでしょうか。
大王は国民のことなど興味ありません。
面倒事は郭開に全て任せているようなので、郭開自身も権限を使って好きなようにやっている印象です。
自身の欲望を優先し始めたのなら、趙国に未来はないでしょう。
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原泰久『キングダム』643話より引用
そして、将軍になっても相変わらずな李信。
王騎将軍の仇をとりたい気持ちは分かりますが、もう一万五千人を引っ張る立場です。
今までと同じ考えではいけません。
蒙恬が注意したように、将軍としての自覚がまだ足りないのかもしれませんね。
いよいよ邯鄲攻略戦を開始した秦軍。
李牧はこのまま処刑されてしまうのか!?
次回がとても楽しみです!

⇒『キングダム』645話!趙国の未来を奪った悼襄王の遺言・・