原泰久『キングダム』712話より引用
狼孟軍に急襲されながらも秦北東部軍は予定通り桓騎率いる北上組と合流。
しかしその数はたった5万であり、王翦軍を置いてくることになった北上組と併せて秦軍は14万と当初の計画より大幅に数を減らしてしまいました。
これらの流れに信は不穏な空気を感じ取っていましたが、秦軍はそのまま宜安を目指すことを決断。
それが蒙恬を始めとする秦将の総意であり、且つ率いる桓騎が信と同じ予感を抱きつつも敢えて前進を決定したからです。
一方でその頃、秦軍の動きを捉えた李牧が「予定通り桓騎を宜安で討つ」と出陣。
計画を狂わせながらも“予定通り”進む秦軍ですが、その全てが李牧にとって“予定通り”のようです。
果たして李牧はどのように待ち受けているのでしょうか。
第712話『奇跡の前進』は秦軍がさらに趙深部へと足を踏み入れます!
Contents
『キングダム』712話!のネタバレ
それでは『キングダム』712話!の要点をまとめてみます。
時間のない場合、目次に内容をまとめていますので参考にしてみてください。
王翦は様子見
北東部軍5万を吸収した秦軍が予定通り宜安に向けて進み始めたという報せが、閼与の王翦軍の元に届きます。
このことについて倉央が田里弥に意見を問うと、田里弥は「やってやれない数ではない」と言います。
ただし当初の予定の半分以下であり、際どい戦にはなってしまったと。
この辺は恐らく前回の蒙恬と同じような考えでしょう。
倉央も同様の考えのようです。
そこで倉央は、自身が桓騎軍の援軍として1万の兵を率いて出陣することを王翦に進言しました。
さっそく席を立つ倉央ですが、それを「待て」と引き留める王翦。
王翦は「もう少し様子を見る」と言いました。
壁は魔除け
桓騎率いる連合軍はいよいよ趙北部に足を踏み入れました。
秦にとって未踏の地。
少し景色も変わり緊張も高まります。
飛信隊も河了貂が警戒ポイントを示しながら注意して行軍中。
ただし空を見た羌礼が「すごくよくない並びの星」が見えると言っています。
同じ頃、壁軍に加わったナジャラ族の長も「嫌な風がずっと吹いている」と言っていました。
閼与を出た時から占いも良くないとのこと。
このまま進むと全員無事には帰れないだろうということで、ナジャラ族長老の提案により、今のうちに魔払いすることになりました。(壁強制参加)
魔除けの儀式を行っている壁の姿に信は爆笑。
しかし神聖な儀式だと知っている羌族の2人は笑っていないどころか、羌礼は「隊長も入れてもらってこい」とも言います。
この戦にどことなく怖さを感じるからです。
しかし信は「脅威は自らの力で打ち砕くものだ」と拒否したのでした。
まさかの無傷前進と斥候狩り
ちなみに現在の秦軍は、閼与と宜安の中間地点を過ぎた辺り。
このまま進めば赤麗という城があり、赤麗から宜安まではそれほど距離はありません。
他にも周囲には番吾や肥下など史実で見る名が出てきています。
今の秦軍にとって重要なのは、どれだけ被害を抑えて宜安に辿り着くかということ。
そのためこの未踏の地での予測不能な急襲に備えていなければなりません。
そうして警戒しながら東進していた秦軍ですが、なんと一戦も交えないまま宜安まであと2日の所まで到達してしまったのでした。
しかしそこまで来てようやく動きがありました。
那貴らが斥候を行っていた時、厘玉隊の斥候隊が伏兵に遭っていたのです。
目標は赤麗奪取
その夜の秦軍戦略会議では、無傷でここまで辿り着いたことを「速やかに侵攻した功」だとしながら安堵します。
問題は斥候狩りによってこの先の情報が入っていない点です。
那貴は桓騎軍や楽華の斥候より奥まで行けたようですが、それでも赤麗の姿までは見られなかったそうです。
それでも秦軍的には、宜安のすぐ手前にある赤麗を落とし陣取りたいところ。
もし宜安攻めが長引いたとしても、根城を作れれば軍の消耗を大幅に減らせるからです。
ということでまず秦軍の目標は赤麗の奪取ということになりました。
ただしその重要度は趙軍も承知のはずなので、激しい戦いが見込まれます。
赤麗攻めは壁軍が担当
本営からの情報によると赤麗はそれほど大きくなさそう&宜安のために力を温存していきたいということで、赤麗攻めは一軍だけで行うことにしました。
閼与のように趙軍の士気を上げそうな桓騎軍は除外。
すると蒙恬が壁軍にお願いできないかと提案しました。
理由は飛信隊と楽華の特異性。
この2つの軍は小隊の頃から独立遊軍として動いており、あらゆる状況に対して機転が利くという強みがあります。
その力は、斥候が封じられ情報が掴めない宜安の戦いにおいて重要になってくるはずだと蒙恬は考えるのです。
それに対し壁は「引き受ける」と答えました。
確かに壁軍には飛信隊と楽華のような特性はありませんから。
ただし「逆にすべてをそつなくこなす」という特性が壁軍にはあります。
壁軍の強みは正攻法に則った堅実な戦い方ですからね。
攻城戦には正攻法が必要ということで、壁軍が最も赤麗攻めに向いているわけです。
赤麗に違和感?
秦軍は赤麗まで侵攻し、壁軍が配置につきました。
『史記』によれば、紀元前233年に大軍を興して趙北部攻略戦を仕掛けた秦の初戦がこの赤麗。
いよいよ趙北部攻略戦本番が始まるということですね。
しかし赤麗城を見た羌瘣と羌礼が何かに気づきました。
「何じゃあの城は」と訝しむ羌礼。
一体何を感じたというのでしょうか!?
『キングダム』ネタバレ712-713話のまとめ
計画より戦力を減らした秦軍でしたが、無傷のまま宜安手前の赤壁まで到達しました。
ただし羌族とナジャラ族それぞれが不吉を感じているのが怖いですよね。
前回描かれた信と桓騎の勘のようなものはそれこそ「力で打ち砕く」という期待が持てますが、今回の描写は普通に嫌な予感しかありません。
一度も交戦しなかったのも、秦軍を徹底的に潰すために深く誘い込もうとする李牧の意志が感じられます。
今「やってやれない数ではない」くらいの際どい兵力で進んでいる秦軍を途中で減らしたら閼与まで引き上げてしまうかもしれませんからね。
原泰久『キングダム』712話より引用
そんな中、秦軍は壁軍による赤麗攻めを開始。
壁将軍の腕の見せ所です。
ただし羌瘣と羌礼の反応から、赤麗にも何か仕掛けがありそうです。
羌瘣と羌礼が真っ先に気づいたということは“人の気配”に関することのような気がするので、「赤麗に兵がいない」という可能性が高そうですよね。
どちらにせよ、未知の中で待ち受ける李牧の策に挑んでいかなければならないというのがこの趙北部攻略戦。
常に後手に回る厳しい戦いを果たして秦軍はどのように乗り越えていくのか、次回の展開も楽しみにしましょう!

⇒『キングダム』714話!李牧の策は数の暴力!予想外の趙北部31・・
⇒『キングダム』713話!赤麗無血開城!順調な秦軍に李牧の情報・・
⇒『キングダム』711話!合流するも兵力激減!半数以下になった・・
⇒『キングダム』710話!カン・サロは青歌最強!奇襲は狼孟軍と・・