原泰久『キングダム』716話より引用
趙北部軍31万に包囲された秦桓騎連合軍14万。
秦将たちはここでようやく、今回の宜安攻略計画が李牧によって読まれており、想像もできないほど早い段階から準備され、そして自分たちがその通りのままに動かされていたことに気づきました。
李牧の読みの凄まじさを感じると共に、この戦いも描き切られているはずだと戦慄する蒙恬や河了貂。
事態はすでに“詰み”。
李牧の作り上げたこの盤面を覆せる気がしないという絶望の中、無情にも開戦し、秦軍は早くも崩されていくのでした。
第716話『打開策の有無』ということで、果たして秦軍に活路はあるのでしょうか!?
Contents
『キングダム』716話!のネタバレ
それでは『キングダム』716話!の要点をまとめてみます。
時間のない場合、目次に内容をまとめていますので参考にしてみてください。
勝ち目はない
今回の秦軍の戦いについておさらい。
現在秦軍14万は平地にて趙軍31万に包囲されています。
通常、平地戦では圧倒的兵力差がある戦は行われません。
弱小の方が籠城・退却・降伏などで開戦を避けるからです。
開戦するのは弱小の軍に引けない理由があったり、昨年の扈輒軍との戦いの時の桓騎軍など(三倍もの兵力差がありました)のように奇策・秘策がある場合。
しかも昨年の戦いは桓騎が誘い込んだ形で始まりましたが、今回は真逆。
二倍以上の強大な方の軍が自国深部に誘い込んで始めた戦いです。
兵力も、地の利も、策も敵側に分があるということ。
そういった場合勝ち目はなく、まさに今秦軍にとってそんな戦いがいきなり始まってしまったということです。
それに予想より圧倒的に敵が多かった秦軍と、侵略者を殲滅しようと意気込んで準備してきた趙軍とでは士気も全く違います。
中央・壁軍劣勢!
早くも横陣が崩壊してきている壁軍。
予備隊を動かして立て直しを図ろうとするものの、壁が指示している間にも次々と各隊が崩壊していっています。
すでに桓騎に何度も援軍を要請しているようですが動きはない様子。
それでも壁は部下が退避を促す中、秦の正面の壁として崩れないよう必死に指示を出し続けていました。
しかし早くも趙軍に狙われてしまいます。
壁に向かって飛んでくる槍。
あわや壁討ち死にといったところでしたが、そこをナジャラ族が救いました。
ナジャラ族は壁に「スグ逃ネバ大凶ダ」と警告。
壁は「分かっているが役目を果たさねば」と言い返しますが、ナジャラ族は問答無用で壁を退避させようとするのでした。
左翼・楽華軍劣勢!
まだ壁軍ほどではなさそうですが、やはり左翼の楽華軍も押されています。
正面は愛閃に任せ、陸仙の遊撃隊も中の戦力に回すものの、とにかく兵が足りません。
こちらも桓騎に援軍を要請していましたが、やはり動きはないようです。
その代わりに北東部軍二千が来てくれたものの、ついに左方の防陣が決壊。
すぐに北東部軍を充てますが、それも戦いにおいて少し延命しているに過ぎません。
状況を打破するには、李牧の想定外のことをしなければならないと蒙恬は焦っています。
右翼・飛信隊劣勢!
飛信隊も同じような状況です。
人手は足りず、桓騎からの援軍もなく、ただただ押されていくのみ。
つまり戦場のどこを見ても趙軍の優勢です。
そんな戦いを「圧倒的に勝つという戦も意外と好きだ」と語りながら見ている傅抵。
そして最初から“詰み”の盤面を作り上げ開戦させた李牧も、「そのまま数で圧倒する」と厳しく戦場を見ていました。
「そこに打開策はないぞ」と桓騎を見据えながら。
桓騎は動かない
当の桓騎はまったく動く気配がありません。
当然桓騎軍の元には各戦場の戦況や援軍の要請も届いているのですが、桓騎は「あっそ」と聞き流すのみ。
各軍に援軍として動いていた北東部軍は風范が勝手に送っていたようです。(北東部軍は中間に配置されています)
さすがの摩論も責め立てますが、兵を送らない理由については「別に」と返します。
周囲の軍がやられればすぐにでも桓騎軍に突撃されるというのに、何なのでしょうかこの余裕は。
桓騎は焦りまくる摩論を「戦はまだ始まったばかりだ」と制しました。
信は大きく軍を動かす
一方で信は意外な動きをしていました。
こんな状況下であれば、いつもなら仲間が止めても乱戦に入っていくだろう信。
今もてっきり必死に抵抗しているかと思われましたが、なんと意外にも戦いには加わらず、小高い場所から戦場を見渡していました。
そして「このままじゃ完全に火が消える」と焦っていました。
信は冷静に戦場を見ながら考えていきます。
どこか火を起こせる場所はないのかと。
そして信は見つけました。
信は隊長からの緊急伝令の旗を掲げさせ、戦場の全飛信隊に大声で伝えます。
「今すぐ横陣を解け」と。
なんと飛信隊は右翼の壁の役目を捨てて移動するというのです。
飛信隊に衝撃が走りましたが、果たして軍を大きく動かすという信の奇策は戦場に打開の火を起こすことが出来るのでしょうか!?
『キングダム』ネタバレ716-717話のまとめ
今回は何といっても信に注目ですね。
信の武力が打開のカギになると思っていましたが、カギになったのは本能型の視点。
「火」という表現で麃公を思い出したかと思いますが、まさに今信は麃公と同じ“大将軍の景色”を見ているといって良いでしょう。
焦って戦場に飛び込まず冷静に「火」を窺っているところに、将軍としての信の成長を感じますよね。
知に優れた蒙恬や河了貂が追い詰められる中、信の本能型の視点が戦況を変えようとしているところが面白いです。
その本能で見出した打開策が、軍を大きく動かすこと。
右翼の壁の役目を捨てるとのことですが、しかし横の壁がなくなれば桓騎軍の脇腹が突かれることになってしまいます。
それが信の狙いだったりするのでしょうか。
桓騎軍を動かすこと?秦軍全体の形を変えること?
信は左方を見て火の起こしどころを見つけているので、秦軍内に何かヒントを得たのだと思います。
ともあれ通常の戦い方では勝ち目はなく、蒙恬の言う通り状況を打破するには李牧の想定外のことをしなければならないわけですから、この飛信隊の動きがそれになれるのかがポイントです。
また、桓騎が援軍を送らずにいたのは信のこういった動きを期待していたようにも感じますね。
原泰久『キングダム』716話より引用
というのが読者としての過度な期待だとしても、飛信隊の動きに対する桓騎の視点は注目です。
少なくとも反対側の蒙恬が信の動きに呼応しそうな気がします。
果たして信が起こそうとしている火は秦軍にとっての打開策になるのでしょうか、次回の展開が楽しみです!

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