着実に気球作りを進める千空とカセキ。
その様子をホクホク顔で石神村に伝えると、石油探索から一旦戻っていたクロムが聞いて「空飛びマシーン」こと気球に乗りたいと居ても立っても居られない様子。
自動車作りにも参加出来なかった当人にしてみれば“今回だけは絶対”と一人箱根駅伝状態で東京に猛ダッシュで向かいます。
Dr.STONE(ドクターストーン) 88話のネタバレ
それではDr.STONE(ドクターストーン)88話『Z=88 ヒトの翼』の要点をまとめてみます。
扉絵は正月を意識しているのでしょうか。
背景は「一富士」。
千空の翼で「二鷹」。
コハクの胸を無理やり見立てて「三茄子」?
・・・時間のない場合、目次に内容をまとめていますので参考にしてみてください。
プラチネチケットは誰の手に?
気球作りはいよいよ大詰めに入りました。
ジェット気流より下の限界高度1500mに到達するためには、2000m3の容量をもつ麻布製の気球の半径は7.8mで装備品諸々含めると定員は3名です!!
その気球を裁縫作業するチーム杠たち。
動物の皮などを服にしている石神村の人たちは、日常作業ということもあり裁縫は男女問わず得意の様子です。
一方、現代人は杠が無表情のまま凄い早さで縫い上げていきます。
もはや人造家内制手工業。
大した仕事をしていないのにマグマと陽がお互いにドヤ顔です。
そんなこんなで遂に気球が完成しました。
初めて見る「空飛びマシーン」に興奮気味の銀狼にスイカ。
その規模の大きさには陽も驚いています。
次なる課題は「誰が気球に乗るか?」になります。
まず気球の仕組みを知っている千空は確定。
残り二人。
千空の希望はパイロットとして“風のプロ”が絶対条件です。
となると龍水ですがパイロット報酬を要求される可能性があるため、ゲンはトランプにジョーカー2枚を“当たり”を入れたくじ引きで一計を講じます。
龍水にはトランプの山から1枚だけ引きやすいように提示。
ジョーカーが偶然当たったことにしてタダで仕事をさせるつもりでしょうか。
龍水はその考えはお見通しとばかりに「パイロット報酬100万ドラゴ」を要求しますが、引いたカードは何と“ハズレ”。
自分をパイロットにさせたいはずなのに何故ハズレなのか?
龍水ばかりか傍で見ていた千空や杠も事情が呑み込めない様子です。
「人間は手に入ったかと思うものを失うのが 一番惜しくなるという心理実験がある」
どうやらゲンにとってはこれも計算の内で口元の石化模様が悪巧みモードです。
そしてトリックでゲンは自分がジョーカーを引き当てたように見せかけました。
“新世界で人類初の飛行者”になれる超プラチナチケットですが気球は少し怖いと語るゲンに「代わってやってもいいぞ!!」と龍水。
「さすがにタダってわけには・・・」乙女モードで白々しく躊躇うゲンに龍水はドラゴの札束で応えます。
結果、龍水は気球の超プラチナチケットをゲット。
一方、ゲンはチケット代で大量のドラゴをゲット。
パイロット報酬を支払わず石油を購入するためのドラゴを貯めることが出来てゲンの笑いは止まりません。
無垢なる少年の心が奇跡を起こす
とりあえず乗員3名のうち2名は決まりました。
そこにクロムが箱根から猛ダッシュで駆けつけてきました!!
「耳をつんざく」という言葉を見事に絵で表現する秀逸さ。
気合一発で当たりを引くと宣言するクロム。
「地球は丸い」ということは知っているが、それは千空に聞いただけ。
だから世界がどうなっているか空から見たいと切々に語ります。
それを黙って聞く千空とゲン。
そしてフォーシング。
引かせるカードは決まっているトリックをゲンはこっそりと仕込みます。
果たしてクロムの引いたカードは“当たり”のジョーカーをゲット!!
カードを高々と掲げて歓喜のクロム。
それを見て良かったと涙のスイカ、そして陽も強運ぶりに感心しています。
よく見ると結果が分かっていた千空とゲンはとうに背を向けています。
この世界は俺たちのもの!
案内用風船を上げて上昇スピードを確認する千空と龍水。
上空の風が全部見えると言う龍水は「絶好の出発日和」とフライトを決意します。
気球に火を入れていよいよ飛び立とうとします。
地面との摩擦が無くなり気球が滑るように動き出します。
そしてー。
大興奮のクロム
「う・・・浮かんだぁあああ ヤベエエエエエ」
ついに気球が飛び立ちます!
マジで空を飛んだと驚くマグマ。
目視であっという間に小さくなる気球を見ながら、カセキは人の欲張りさ、無ければ科学で何でも作る諦めの悪さについて涙を浮かべ語ります。
一方気球は上空1200mまで昇りました。
地上より7分先の日の出を見て「地球が丸い」ことを実感し大粒の涙を流すクロム。
そして「この世界の全部が知りてぇー」ともっと見たいと言います。
それを受けて千空も石化発生源である世界の裏側に何があるのかを見たいと言います。
龍水は必ず連れていくから任せろと頼もしく宣言。
「今世界は丸ごと俺たちの物だ・・・!!!」
彼らの眼前には朝日と無限の空が広がります。
Dr.STONE(ドクターストーン) ネタバレ88話のまとめ
今回の年越しや夏休みなど、週刊誌なのに発売が1週休みの時ってありますよね?
こういう時にふと現実の季節と物語の時期がずれているのに妙に気になります。
『こち亀』のように1話完結の作品はさておき、『ハイキュー!!』などの連続的な作品のよう劇中では季節感を表すのが無理なのも分かります。
で、何が言いたいかと。
最後の見開き1枚画です。
連続的な作品にもかかわらず朝日から「初日の出」を想起させるような流れ。
2018年最後の発売にあたる今号の作品の中では、間違いなくナンバーワンのエンドシーンだと思います。
以前のレビューでも書きましたが、現実世間がノーベル賞で盛り上がっている時に77話で無理なくダイナマイトの話を持ってくるなど、稲垣氏の構成手腕にはただ脱帽です。
77話はこちら⇒最新ネタバレ『Dr.STONE(ドクターストーン)』石化時代に甦るノーベルの遺産!その名はダイナマイト!!
そしてその構想を具現化できるBoich先生の圧倒的な画力。
できればこの見開きをカラーで見たかったです。
それにしても気球の話ではキャラが全員立っています。
まずは龍水。
ドラゴを発行してセレブタワーともいうべき最上階に住んでいたはずが、大樹に呼び出された時には何故か地上で寝泊まりしていました。
前回で杠の高級服を大量買いし過ぎて懐に余裕がなくなったからでしょうか?
それでも気球搭乗権に10万ドラゴと思いきや100万ドラゴを支払う金銭感覚のズレが以前の道楽ぶりをうかがわせます。
ゲンによって御し易いキャラかと思えば、それでもいざ実践になれば自信満々の航行術など頼もしい限りです。
次にゲン。
そしてクロムの熱意を聞いて当たりを引かせる優しさは好感度大です。
ここで84話の中で何気ない台詞として気にもしなかったフォージングを使うとは。
84話はこちら⇒最新ネタバレ『Dr.STONE』ストーンワールドで船のコンペ
しかもそのカラクリを知る龍水にはその心理を逆用してハズレを引かせています。
そして陽。
クロムがカードを引き当てた時に普段から「未開人」とデスっていたので今週の「ウェェェイ」がここでくると思っていました。
意外でしたがクロムがジョーカーを引き当てて素直に感心するなどいい味出しています。
かつての72話で脱獄したクロムをボコった人と同一は思えません。
72話はこちら⇒最新ネタバレDr.STONE(ドクターストーン)クロムが肺炎に?頼れるのは己の知識と経験
この3人に共通していることは「良い面と悪い面(悪意はありませんが)を両極端に描いている」です。
結果、キャラクターの性格に幅を持たせることに成功しています。
次に泣ける二人について。
最初はカセキ。
「空を飛ぶ」という人間の飽くなき探求心を語るには、ここは千空ではなく長く生きた人の方が説得力あります。
可能ならば2回目以降にフライトのチャンスがあればカセキに乗って欲しいです。
最後は今回の主役ともいうべきクロム。
理科の授業で「地球は丸い」と習い「本当に丸いのか?」と自分からそれを確かめようと経験がある人はどれくらいいるでしょうか?
その興味、念願が叶ったクロムの涙に読んでいて思わずホロリときました。
まさに「百聞は一見に如かず」です。
さらに凄いところは「もっと知りたい」とこれで満足していない点です。
次回はセンターカラーです。
クロムを気球に乗せたことは“素材王”の称号から彼が石油を発見すると予想しますが、石油を知らない人間がどうやって見つけるのか、捻りの効いたアイデアを期待しましょう。

⇒『Dr.STONE』89話!逃げない!負けない!!進め冒険者!・・
⇒『Dr.STONE』87話!ストーンワールドでファッションショー・・