不死川実弥は柱の中でも特に血の気の多い人物で、初登場の柱合会議では容赦なく禰豆子を刺し、柱稽古編では容赦なく玄弥に襲い掛かるなど、暴力的な言動でたびたび炭治郎と敵対しています。
すっかり「柱で一番怖い人」という印象かと思いますが、しかし無限城編では彼の本当の人柄が明らかになり見方がガラッと変わります。
不死川実弥の生き様と想いに涙が止まりません!
それでは何が描かれたのか、強さや戦いの結末も含め無限城編での不死川実弥の活躍を詳しくまとめていきます!
目次
【鬼滅の刃】無限城編のあらすじ
刀鍛冶の里の戦い以来鬼の出現が止まったため、しばし柱稽古に励んでいた鬼殺隊。
しかしある晩、なんと鬼舞辻無惨自らが産屋敷耀哉の命を奪うべく屋敷に襲来してきました。
すると事態を予期していた産屋敷は自らを罠にして鬼舞辻無惨を爆破。
そこへ珠世が仲間の協力を得ながら無惨に「鬼を人間に戻す薬」の投与、さらには産屋敷から事前に託されていた岩柱・悲鳴嶼行冥が無惨の頚を粉砕し、鬼舞辻無惨を拘束することに成功しました。
その間に続々と他の柱たちも駆けつけ、鬼殺隊は夜明けまでの持久戦を開始することに。
ところが一斉攻撃を仕掛けた矢先、鬼殺隊は鳴女の血鬼術によって上弦の鬼たちが待ち構える無限城へと落とされてしまいます。
陽の届かない無限城という鬼殺隊に不利な場所で、鬼殺隊と鬼の決着を懸けた総力戦が始まったのでした。
【鬼滅の刃】無限城編は何巻?
無限城編はコミックス16~23巻(最終巻)に収録されています。
各所の死闘が描かれる総力戦かつ鬼舞辻無惨との決着が描かれる最終エピソードなので、最後までひと時も目が離せません!
【鬼滅の刃】不死川実弥と不死川玄弥の関係性とは?
不死川実弥は炭治郎の同期・不死川玄弥の実兄です。
実弥と玄弥は7人兄弟の長男と次男で、父親の死後(父は家族に暴力を振るうろくでなしで、人に恨まれて殺された)2人で家族を守ろうと約束していた仲良し兄弟でした。
しかしある日、優しかった母が鬼になってしまい不死川家は一変。
幼い弟妹たちは鬼化した母に殺され、彼らを守ろうと必死で戦った実弥は鬼を斃してようやくそれが母だったことに気づき、状況が理解できなかった玄弥は「人殺し」と実弥を罵倒してしまいました。
その後、玄弥が実弥に謝るために鬼殺隊に入りますが、実弥は「弟はいない」と言い、玄弥を冷たく突き放していました。
しかし無限城編で実弥の本当の想いが明らかになります。
- 実弥の玄弥に対する本当の気持ち
無限城にて玄弥の危機に駆けつけたのは他でもない実弥でした。
実弥は玄弥をしっかりと「弟」と呼び、「俺が何のために母を殺してまでお前を守ったと思ってやがる」と本音を打ち明けました。
玄弥を冷酷に突き放していたのは、鬼殺隊ではなく普通の幸せな人生を送って欲しかったから。
その幸せを守るために実弥は戦っていたのであり、本当は唯一の肉親である玄弥をひたすら大切に想っていたのです。
【鬼滅の刃】不死川実弥VS黒死牟
無限城で玄弥のピンチに駆けつけた実弥は、そのまま上弦の壱・黒死牟に応戦。
弟が刻まれた怒りをぶつけながら、黒死牟と激しい斬撃の応酬を繰り広げました。
実弥は黒死牟の斬撃の特性や呼吸の使い手であることを分析しながら冷静に熱く交戦していきますが、腹を裂かれ重傷を負ってしまいます。
すると実弥の稀血によって黒死牟が酩酊。
これを機に呼吸で止血しながらさらに斬り込んでいく実弥でしたが、一瞬の隙に刀を封じられ絶体絶命の窮地に陥ってしまうのでした。
【鬼滅の刃】不死川実弥覚醒
不死川実弥は駆けつけた岩柱・悲鳴嶼行冥によって救われ、回復の機会を得ます。
実弥は悲鳴嶼が時を稼いでいるうちに急いで腹の傷を縫合。
そして縫い終わり呼吸を整えると、実弥の右の頬に痣が発現していました。
痣を発現させた実弥はさらに動きの速さと精度を上げ、同じく痣を出した悲鳴嶼と連携しながら黒死牟を追い込んでいきました。
【鬼滅の刃】不死川玄弥の死
不死川実弥と悲鳴嶼行冥2人がかりでも十二鬼月最強である黒死牟の戦闘能力には及ばず、実弥が右手の指2本を斬り落とされるなど劣勢を強いられていきます。
しかし霞柱・時透無一郎と玄弥の命懸けのサポートの中で、実弥と悲鳴嶼は赫刀を発現させながら見事黒死牟の頚を斬り落として消滅に追い込んだのでした。
ただしこの勝利には無一郎と玄弥…2人の若者の犠牲がありました。
戦いの途中から意識を失っていた実弥が目覚めた時、目に入ったのは半分になった体がさらに崩れ去ろうとしている玄弥の姿でした。
ひどく取り乱し「兄ちゃんが何とかしてやる!俺より先に死ぬんじゃねえ!」と泣き叫ぶ実弥。
「頼む神様!どうかどうか!弟を連れて行かないでくれ!」
しかし実弥の懇願も虚しく、玄弥は実弥に幸せになって欲しいと伝えながら、実弥の腕の中から消えてしまったのでした。
【鬼滅の刃】不死川実弥VS鬼舞辻無惨
悲しみに暮れる間もなく不死川実弥は鬼舞辻無惨との戦いに向かわねばなりませんでした。
実弥は無惨が地上へと排出され鬼殺隊の総力戦となっているところへ、遅れて悲鳴嶼と共に合流。
玄弥の死に対する憎悪も込めて激しい殺意を向け、無惨を放火したり、水柱・富岡義勇と刀をぶつけ合い赫刀にしたり、嘴平伊之助たちが持ってきた愈史郎の目を活用したり、様々な手で攻撃を仕掛けていきました。
無惨の痛恨の一撃により全滅しかけるも、竈門炭治郎を中心とした鬼殺隊の諦めない心により無惨を夜明けまで足止めして朝日に照らし、ついに無惨を消滅させたのでした。
【鬼滅の刃】無限城編で不死川実弥は死亡した?
無惨との戦いは柱も含め戦死者多数の激闘でしたが、不死川実弥は生き残りました。
最後は死の淵を彷徨い、実弥はそこで天国の弟たちを見送りながら、母と共に地獄に堕ちようとしました。
しかし父に母を奪われ、「お前はまだあっちにもこっちにも来れない。俺の息子だってことに感謝しろ、特別頑丈な体だ」と突き飛ばされて、現世に生還しました。
【鬼滅の刃】不死川実弥の能力・強さとは?
不死川実弥は作中で鬼殺隊最強とされている悲鳴嶼と並び、黒死牟に「柱の中でも実力上位」と評されています。
実弥の強さは「風の呼吸」と「稀血」と「臨機応変な戦闘方法」にあります。
- 【風の呼吸】
風の呼吸は凄まじい連撃と軽快な身のこなしから繰り出す突風のような斬撃が特徴です。
柔軟な体幹と持久力が必要であり、柱稽古では無限打ち込み稽古を担当していました。
作中で実弥は以下の技を使用しています。
- 壱ノ型 塵旋風・削ぎ(じんせんぷう・そぎ)
地面を抉る凄まじい衝撃波を帯びながら斬り進む技。(第166話等)
黒死牟戦だけでなく無惨戦や柱稽古での義勇戦など、実弥が最もよく使っている技です。
- 弐ノ型 爪々・科戸風(そうそう・しなとかぜ)
獣の爪痕のように見える四つの斬撃を同時に放つ技。(第167話)
- 参ノ型 晴嵐風樹(せいらんふうじゅ)
自身を中心に旋風を巻き起こすような技。(第167話)
- 肆ノ型 昇上砂塵嵐(しょうじょうさじんらん)
砂塵を巻き上げる嵐のような斬撃で、玄弥を窮地から守りました。(第166話)
- 伍ノ型 木枯らし颪(こがらしおろし)
木枯らしが吹き下ろすように上空から広範囲を回転しながら斬りつける技。(第199話)
- 陸ノ型 黒風烟嵐(こくふうえんらん)
体を捻じるようにして下から切り上げる斬撃。(第168話)
- 漆ノ型 勁風・天狗風(けいふう・てんぐかぜ)
空中で体を捻りながら竜巻のような回転斬りを放つ技。(第171話等)
黒死牟戦で悲鳴嶼との連携で繰り出しており、悲鳴嶼の攻撃に風を纏わせるような効果も与えています。
無惨戦では愈史郎の目で姿を隠しながらその場に烈風を巻き起こしました。
- 捌ノ型 初烈風斬り(しょれつかざきり)
すれ違いざまに烈風の如き激しく素早い斬撃を繰り出す技。(第176話等)
黒死牟を追い込んだり、無惨の右腕を斬り落としたりしています。
- 玖ノ型 韋駄天台風(いだてんたいふう)
高く跳躍し、台風を思わせる太刀筋で頭上から斬りつける広範囲攻撃。(第199話)
- 【稀血】
稀血は鬼にとって栄養価の高い希少な血で、鬼を引き寄せやすく狙われやすいと言われます。
実弥の血はその中でもさらに希少で、鬼を酔わす効果があります。
実弥は鬼化した母との戦闘でそれに気づいたそうですが、斬られることが有利に働くのは強いですよね。
- 【臨機応変な戦闘方法】
実弥は鬼殺隊も日輪刀も知らなかった頃、稀血を利用して鬼を誘い、山ほどの刃物で武装して捕え、太陽で灼き殺すというがむしゃらな戦闘をしていました。
そのためか実弥には剣術のみに囚われない臨機応変な戦いぶりが窺えます。
黒死牟戦で玄弥の刀を足で掴んで第三の手にしていたり、玄弥の南蛮銃を咄嗟の攻防に利用したり、無惨戦では油とマッチによる不意打ちを行ったり、愈史郎の“目”も迷わず活用したりしています。
【鬼滅の刃】不死川実弥と悲鳴嶼行冥の関係性とは?
上弦の壱・黒死牟戦で実弥と息の合った連携を繰り出していたのが岩柱・悲鳴嶼行冥。
異なる呼吸同士の彼らが高レベルの連携を出せたのは、来たるべき時に備えて柱稽古で互いを高め合っていたからです。
ちなみに実弥は悲鳴嶼のことを尊敬しており、産屋敷以外には珍しく敬語で話しています。
【鬼滅の刃】不死川実弥と産屋敷耀哉の関係性とは?
不死川実弥が初めて産屋敷耀哉と顔を合わせたのは、恩人であり友人である粂野匡近と共に下弦の壱を倒し、その戦いで粂野が戦死して実弥だけが柱になった時。
その時の実弥は安全な場所から命令だけするような耀哉に反感を抱いており、粂野を失ったこともあって耀哉にひどい暴言をぶつけました。
しかし耀哉が刀を振るえない身であることや自身も駒として捉えていること、そして亡くなった隊士たちの名前と生い立ちを全て記憶していることを知り、また亡き母と同じ深い慈愛の心を感じ、意識を改め敬服するようになりました。
【鬼滅の刃】無限城編の結末
無惨の消滅により鬼がいなくなり、最終決戦から3か月後に鬼殺隊は解散しました。
新当主・産屋敷輝利哉のもと、最後の柱合会議に出席したのは不死川実弥と富岡義勇だけでした。
これまで家族や恩人、仲間たちなど大切な人たちを失い続けてきた実弥でしたが、数多の悲しみを乗り越え平穏な世で前へと歩き出します。
ちなみに鬼舞辻無惨打倒後の実弥はだいぶ穏やかになり、禰豆子に過去の非礼を詫び、玄弥の姿を重ねて優しく頭を撫でたり、義勇と一緒に食事している姿も描かれました。
また公式ファンブックによると、炭治郎からたびたび手紙が来る様子。
実弥は字が書けないので返事はしないようですが、代わりにおはぎと抹茶をこっそり届けたりしているそうです。
【鬼滅の刃】不死川実弥の存在が無ければ鬼殺隊は負けていた?
不死川実弥は黒死牟戦でも鬼舞辻無惨戦でも主力となって戦い抜きました。
やはり特記すべきは悲鳴嶼が来るまで1人で黒死牟と渡り合っていた実力と悲鳴嶼と連携できるほどの実力。
実弥がいなければ玄弥と無一郎が早々に死亡し、4人がかりでようやく倒せた黒死牟が倒せなくなっていたと考えられます。
十二鬼月最強である黒死牟を討ち損じていれば、鬼殺隊は鬼舞辻無惨に勝利出来なかったでしょう。
またその後の無惨戦も最後まで戦い抜き、ほぼ五体満足で終えたところに実弥の凄さが感じられます。
まとめ
不死川実弥はこれまで荒々しい印象で描かれていましたが、実は弟妹が死亡し、母を手にかけ、親友の死に立ち会い…と数多の苦難を乗り越えていた悲しき人物であり、その中でただ一人残った大切な弟・玄弥の幸せを守ろうとしていた優しいお兄ちゃんだったことが明らかになりました。
しかもその想いとは裏腹に目の前で玄弥をも失ってしまうという、皮肉で残酷な人生に涙が止まりません。
たくさんのものを失い最後まで生き延びましたが、きっと玄弥も含めこれまでに先立った大切な人たちの「実弥に幸せになって欲しい」という願いが実弥を生かし続けてきたのでしょう。
無限城編は実弥の凄絶な生き様と優しい人柄が描かれ、とにかく実弥のイメージがガラッと変わりますので是非注目してくださいね!

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