飛信隊の前に現れた龐煖(ほうけん)。
前回は、武神との戦いに備えて、羌瘣が巫舞(みぶ)の準備をしていたところで終わりました。
さて、李牧が目の前にいるにも関わらず、龐煖のせいで足止めされた秦軍。
先頭を走っていた去亥が、残念ながら犠牲となってしまいました。
深手を負っている信は万全ではなく、いつも通り敵を圧倒することすらできません。
羌瘣もまた、敵陣に一人で挑んだことから体力を使い切ったばかり。
満身創痍の状態で羌瘣は龐煖相手に戦えるのか!?
秦軍は李牧の元へ辿り着くことはできるのか!?
今回は、王翦将軍の意外な動きと、龐煖が暴れる様子を中心にご紹介していきます。
『キングダム』620話!のネタバレ
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原泰久『キングダム』620話より引用
それでは『キングダム』620話!の要点をまとめてみます。
時間のない場合、目次に内容をまとめていますので参考にしてみてください。
王翦救出
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原泰久『キングダム』620話より引用
馬南慈(ばなんじ)軍と傅抵(ふてい)隊に挟撃されていた王翦将軍。
秦左翼の戦場から駆けつけた蒙恬(もうてん)によって馬南慈を圧倒。
負傷した隙をつき、王翦は窮地から脱出することができました。
本当であれば、戦場から少しでも離れるのが得策。
しかし、馬南慈の右目を負傷させた程度で、完全に倒したわけではありません。
左側に逃げるのではなく、前方にいる田里弥(でんりみ)軍に合流しようと狙っていました。
前進する王翦一団。
側には王賁や蒙恬もいます。
ところが、簡単に逃げさせないのが傅抵隊。
怒りをあらわにして、傅抵が怒鳴りながら追いかけて来ます。
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「逃がしてたまるかよ!
バカヤロォが」
原泰久『キングダム』620話より引用
後方にいる秦軍は傅抵隊によって斬られていきます。
それでも、王翦は後ろを振り返ることなく前進。
前方には、田里弥軍の奥にある李牧本陣も見えていました。
李牧本陣の足元にまで迫る砂塵。
王翦は、おそらく向こうの本陣陥落も近いと悟ったのです。
蒙恬は気付きました。
「右からの攻撃が最も
李牧に迫っている・・・
信!」
李牧本陣を右側から攻めているのは飛信隊です。
蒙恬は戦場の動きを見ただけで、信が活躍しているのだと知ったのです。
ところが、喜びも束の間、後方からは傅抵隊が追いつき始めていました。
蒙恬と傅抵の距離は目と鼻の先。
このままでは王翦にもすぐ追いつかれてしまいます。
蒙恬率いる楽華隊は、傅抵隊を止めようと決意。
後方から迫る傅抵隊と戦いながら、蒙恬は心の中で訴えたのです。
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「王翦将軍は何としても助ける
だから、あとは
お前が李牧を討つだけだ、信」
原泰久『キングダム』620話より引用
勝利は、信の腕にかかっていました。
龐煖の咆哮
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原泰久『キングダム』620話より引用
王翦将軍が脱出できた頃、李牧本陣の前には龐煖が立っていまいた。
大きな矛に大きな体。
戦場に静寂が訪れるほどの圧倒的な存在感。
周囲は驚きを隠せませんでした。
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原泰久『キングダム』620話より引用
龐煖の周りには、たくさん亡骸が散らばっていました。
その中に、斬られた去亥の姿もあったのです。
去亥の哀れな姿に涙を流す飛信隊。
ところが、龐煖は悲しむ隙すら与えてくれませんでした。
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「ヴオオオオオオオオオ」
原泰久『キングダム』620話より引用
突然の咆哮。
戦場に響き渡る獣のような雄叫び。
騎馬隊の馬たちは、あまりの音量に大混乱!
暴れ出して言うことをききません。
龐煖の周囲だけでなく、後方にいる者まで雄叫びは聞こえていました。
ビリビリと肌で感じる振動。
後方で戦っていた昻(こう)と尾平(びへい)は、恐怖のあまり体がガタガタと震えます。
昻は恐る恐る尋ねました。
「尾平さん・・・
こ・・・この感じ・・・」
尾平も涙を浮かべて答えたのです。
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「あぁ、間違いねェ
龐煖だ・・・
あの龐煖が出たんだ、やっぱり」
原泰久『キングダム』620話より引用
二人の中で思い出される忌まわしい記憶。
飛信隊もまた、龐煖に多くの仲間を奪われました。
尾平の弟、尾到(びとう)も龐煖の夜襲がきっかけで命を落としています。
足が震えながらも、前へ進もうとする尾平。
信がきっと龐煖を倒してくれる。
そう信じて前へ進むしかなかったのです。
「い、行かないェと
たっ多分何もできねェけど
信のために行かねェと」
ガタガタと震えながらも、尾平は信の元へと進み始めました。
丘の上から龐煖の様子を眺める李牧とカイネ。
龐煖の周りを円で囲むように秦軍が様子を伺っています。
カイネも驚いた様子で、つぶやくように言いました。
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「・・・三大天
龐煖・・・様」
原泰久『キングダム』620話より引用
隣に立っている李牧が訂正するかのように言い直します。
「“武神”龐煖です」
李牧の周りにいる部下も驚きを隠せません。
さきほどまで、李牧の喉元まで迫っていた秦軍。
ところが、龐煖の咆哮だけで動きが止まってしまいました。
麃公兵の怒り
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原泰久『キングダム』620話より引用
飛信隊初期のメンバーは、龐煖の恐ろしさはよく理解しています。
さすがの渕副長も唖然とし、恐怖で体が震えていました。
ただ、龐煖の姿を見て怒りに震えた者達がいたのです。
それは麃公(ひょうこう)兵。
対合従軍の戦いで龐煖は突如現れ、麃公の命を奪っていきました。
脳裏をよぎる主の最期。
目は血走り、迷うことなく数人の兵士が龐煖へ近づき槍を振り上げます。
「麃公様の・・・仇っ!!」
ところが、龐煖の一振りによって兵士達は倒されてしまいました。
それでも麃公兵たちは攻撃を止めません。
次から次へと龐煖に挑んでいきます。
しかし、誰一人として龐煖に近づくことすらできませんでした。
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原泰久『キングダム』620話より引用
血を吹きあげながら、宙を舞う麃公兵たちの体。
龐煖の圧倒的強さに、周囲は驚きを隠せません。
仲間が斬られる姿をじっと見ていた岳雷と我呂。
彼らもまた元麃公軍の兵士です。
主が死んだあとに、飛信隊へ入隊していました。
近くにいた楚水は慌てて止めます。
「まっ待て、岳雷!我呂!
闇雲に突っ込むな」
楚水が言う通り、このまま突っ込んだところで勝てる相手ではありません。
ムダ死にしないためにも、まずは様子を見るべきです。
それでも、岳雷と我呂の目は怒りで血走り、龐煖を睨みつけていました。
「待てるわけが
ねェだろうが!」
走り出す岳雷と我呂。
楚水と渕副長は再び呼び止めます。
怒りの赴くまま龐煖に近づく二人。
ところが、どこからともなく音が聞こえてきました。
『トーン タン タン』
音に反応するように、岳雷と我呂の動きがピタリと止まります。
1度ではありません。
静かに何度も、リズムを刻むように音が聞こえてきます。
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『トーン タン タン
トーン タン タン』
原泰久『キングダム』620話より引用
戦場に響き渡る小さな音。
飛信隊の者であれば、誰もがすぐ気付いたでしょう。
この音は今、羌瘣が舞っているのだと!
深く舞う羌瘣
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原泰久『キングダム』620話より引用
ザワっとした気配を感じ、矛を大きく振った龐煖。
右手首あたりに、小さな切り傷がつき血が噴き出しました。
唖然とする周囲。
並みの人間では確認できないほどのスピード。
羌瘣の攻撃は、驚くべき速さで繰り返されていました。
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原泰久『キングダム』620話より引用
しかし、さすが龐煖。
羌瘣の攻撃に気付き、確実に矛で受け止めていきます。
睨み合う二人。
龐煖が矛で攻撃しますが、羌瘣は舞うように回避。
ただ、今のままでは龐煖を倒すことができません。
羌瘣はさらに集中します。
「まだ足りない
もっと速く
もっと深く」
巫舞(みぶ)の能力を最大限に発揮するため、より自分を追い込みます。
いかなる時も、肌身離さず大事にしてきた愛刀の緑穂(りょくすい)。
羌瘣は緑穂を握りしめ、お願いしたのです。
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「ごめん、緑穂
命を貸して」
原泰久『キングダム』620話より引用
緑穂に入る小さな亀裂。
より集中した状態の羌瘣は、龐煖を斬りつけます。
あまりの速さに追いつけなかったのでしょう。
龐煖の脇腹あたりから血が噴き出しました。
羌瘣の目は血走り、血の涙が流れます。
極限まで深く入り込んだ状態。
体への負担も半端ないはず。
それでも、羌瘣は決めていました。
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「戦わせない
信(あいつ)が来る前に
龐煖(お前)を仕留める!」
原泰久『キングダム』620話より引用
羌瘣のかつてない程の覚悟。
どうしても、信が来る前に龐煖を倒したいようです。
正直なところ、深手を負った状態の信では龐煖に勝つのは厳しいでしょう。
ほかに龐煖に太刀打ちできる者といえば、飛信隊では羌瘣ぐらいですよね。
以前戦った時は、全く歯が立たず逃げるので精一杯でした。
でも、今回は龐煖を倒さないことには秦軍の勝利はありません。
昔よりも成長した今の羌瘣なら、龐煖と対等に戦うことができるかもしれませんよ!
『キングダム』ネタバレ620-621話のまとめ
今回は、王翦脱出成功よりも、とにかく龐煖の強さ、武神の存在感の大きさを知らしめた回となりました。
奇襲ばかりしている龐煖ですが、今回は李牧との20年前の約束を果たすため、不本意ながら戦っている状態と言えます。
おそらく、本当は朱海平原に登場する人物ではなかったはずです。
でも、龐煖は答えを求め李牧の元へ現れた。
そして、李牧も窮地にあることから「約束を果たす日は今日だ」と言ってきたわけです。
未だに李牧と龐煖が交わした約束はどんな内容なのか、明らかにはされていません。
でも、確実に言えることは、龐煖が探す答えは信が持っています。
いくら強い羌瘣であったとしても、仕留めるまでは厳しいはず。
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原泰久『キングダム』620話より引用
最終的には、信と龐煖が戦うことになるでしょう。
数々の名武将や仲間を奪ってきた武神、龐煖。
彼との因縁にケリをつける時が、いよいよやってきたようです。
羌瘣は龐煖を追い詰めることができるのか!?
極限まで自分を追い込む羌瘣の体は大丈夫なのか!?
次回の展開が待ちきれません!

⇒『キングダム』621話!無敵の羌瘣すら圧倒する武神龐煖・・