嬴政加冠編の最大のポイントは、突如“秦国内に”作られた毐国という国です。
毐国の動乱が嬴政と呂不韋の政争の決着にも繋がっていきました。
そんな毐国における重要人物が趙高。
建国したのは太后ですが、毐国が国として力をつけたのはその傍に趙高がいたからでした。
それでは趙高とは一体どのような人物でどのような働きをしたのか、嬴政加冠編の結末や史実での姿まで併せてご紹介していきます!
Contents
【キングダム】嬴政加冠編のあらすじ
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キングダム/©原泰久
奪取した著雍の整備を順調に進める秦は、著雍と山陽を最前線基地としていよいよ中華統一への一歩・魏攻略戦に乗り出そうとしていました。
しかし突如太后が咸陽を訪れ、著雍と山陽を後宮勢力で貰い受けるとし、強引に嫪毐という男を山陽長官に据えてしまいます。
その後、太后と嫪毐は秦極北の都市・太原に入り、勝手に「毐国」の建国を宣言。
咸陽が手をこまねいているうちに毐国は国として形を成していきました。
そして嬴政加冠の儀の当日、毐国は挙兵し咸陽に侵攻。
咸陽が陥落寸前となる秦国史上最大のクーデターとなり、その勝敗に嬴政と呂不韋の長きに渡る政争の決着が委ねられるのでした。
【キングダム】嬴政加冠編は何巻?
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キングダム/©原泰久
嬴政加冠編は37~40巻で描かれています。
著雍編を経て中華へ前進し始めた秦。
その足を止めるように毐国が建国しますが、その動乱と嬴政の加冠を経て秦が本格的に中華進出へ大きく動き出すことになる非常に重要なエピソードです。
【キングダム】趙高のプロフィール
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キングダム/©原泰久
趙高は秦の太后に仕える宦官のひとり。
初登場は第185話ですが、正式に活躍するのが嬴政加冠編の第405話からとなっています。
毐国の地盤を作り上げた人物であり、毐国建国と同時に太后と共に毐国に移りました。
【キングダム】趙高の特徴
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キングダム/©原泰久
趙高は当初、他の宦官と同じく顔を覆っていましたが、嬴政加冠編では被り物を取り素顔を晒しています。
その素顔は若く、控えめながらも中性的で美しい顔立ちをしています。
【キングダム】趙高の性格とは?
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キングダム/©原泰久
趙高はおどおどとした気弱な青年で、常に赤面し汗をかいています。
しかし政治の才は抜群で、以前(第185話)嬴政が太后を訪れていましたが、趙高はそのことも予想していたほど。
毐国建国にも趙高の大局的に見る力や先んじて手を打つ行動力が大きく貢献しており、毐国内でも「天才・趙高の働きあってこそ」と高く評価されています。
また毐国が挙兵への意気に沸く中でも、毐国に咸陽と戦う力はあるのかという冷静な視点を持っていました。
ただし気弱な性格や「宦官風情が」という侮蔑の扱いで発言を潰されてしまう部分があり、表立っての活躍は出来ないといった人物です。
【キングダム】趙高と太后の関係性とは?
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趙高は太后に仕える宦官であり、その中でも初登場時の時点ですでに太后の傍らにいるなど、太后に最も信頼され重用されている側近です。
趙高も太后のために才を発揮しており、毐国建国という太后の夢の実現にも尽力。
そんな趙高の才能を、太后は「宦官になっていなければ丞相まで登り詰められる逸材だ」とまで評価しています。
毐国建国後、実務面の一切を趙高に任せていることからも、太后の趙高への厚い信頼が窺えます。
対し趙高も従順に尽くしており、太后の隠し子が露見してしまった際には「私がしっかりしていれば」と涙を流して謝罪する姿も。
趙高は口数も少なく謎が多いながらも太后の影として大きな権力を有しているため、読者的にはやや警戒してしまうようなキャラクターではあります。
しかし少なくとも太后に高い忠誠心を持つ、太后の味方であることは間違いありません。
【キングダム】趙高の働きとは?
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キングダム/©原泰久
毐国建国は趙高の働きがあってこそ。
毐国上層部にそう評されたほど、毐国の地盤は趙高の手腕によって作り上げられていました。
もちろん太后の有する王族身分と資金が毐国の大きな力となっていましたが、それだけでは成しえない“太原というただの地方都市に国としての骨格を作り上げた”のが趙高の功績。
当初は咸陽も中華列国も毐国の建国宣言を軽視していましたが、趙高の働きによって毐国はあっという間に独立国家としての体を形作ってしまったのです。
咸陽が軍をもって対応しようとした時にはすでに遅く。
それは趙高が予め楚と密約を交わしていたからであり、毐国がつくられると同時に楚が秦に攻め入ってきました。
咸陽はそちらに軍を裂かざるを得なくなり、その間にも毐国は国として着々と成長していったのです。
他にも趙高は太后の法改変の権限を行使するなど、様々な働きによって太后のために毐国を大きくしていきました。
【キングダム】嬴政加冠編の結末
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趙高の働きで国が大きくなっていったものの、大臣の虎歴ひいては呂不韋の暗躍により、毐国は咸陽に向けて挙兵する流れとなってしまいました。
趙高の制止も聞き入れられず、嬴政加冠の儀の当日、毐国軍は進軍を開始。
戎籊族を誘ったり、途中の守備軍を反乱軍に強引に取り込んだりしながら数を増やし、毐国軍は史上初といえる咸陽侵略を行いました。
しかし討伐軍として昌平君直下兵や嬴政の手配していた飛信隊・蕞の兵らが出現。
さらに加冠の儀を終えた昌文君・壁・昌平君が駆けつけ、昌平君が毐国軍の指揮を執っていたワテギを討ったことで毐国軍は崩壊し、たちまち撤退することになりました。
咸陽から敗走した毐国軍は、その後桓騎軍に掴まり粉砕。
首謀者とされた嫪毐も生け捕りの末に刑に処され、関係した者たちも蜀の地に島流しにされました。
こうして毐国は滅亡し、秦国史上最大のクーデターは失敗。
その結末に勝敗を委ねていた嬴政と呂不韋の政争も決着を迎え、嬴政が正式に秦国の王となったのでした。
【キングダム】趙高の裁きとは?
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趙高は咸陽への侵攻には参加していません。
しかしもちろん関係者のひとりとして蜀の地に流されました。
その際、自身の処遇よりも太后のことを想い、涙を流していたのでした。
【キングダム】嬴政加冠編で趙高は死亡した?
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嬴政加冠編は上述のような結末となり、趙高は死亡してはいません。
また、その後の安否は分かりませんが、死亡していないとほぼ断言できます。
それは趙高が史実に名の残る人物だからです。
【キングダム】趙高は実在した?
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趙高は実在した人物。
ただし毐国の建国や反乱に関わっていたという記載はありません。
史実での趙高は、秦の始皇帝に寵愛された宦官でした。
いつからかは不明ですが、少なくとも秦を統一した後の“嬴政に”仕えていた人物なのです。
しかも始皇帝の末子・胡亥のお守り役を任されるほど始皇帝の信頼を得ていました。
つまり今後キングダムで趙高が再登場するならば、趙高の才に目をつけた嬴政に登用されるという可能性が高いでしょう。
ただし趙高は秦国を崩壊に導いたとされる悪名高い人物。
始皇帝の死後、邪魔者を悉く排除しながら秦の実権を握り、それが秦国を腐敗・弱体化させてしまったとされています。
国を盗るという欲深さを持ち粛清によって恐怖統治をしていたという史実上の趙高は、嬴政加冠編で描かれた趙高とは全く結び付きませんよね。
なのでもし史実と同じような悪行がキングダムで描かれるとすれば、太后への想いが絡んでくるのかもしれませんね。
趙高が活躍する“統一後”まで描かれるのかは分かりませんが、趙高の本当の活躍はこれから描かれるのかもしれませんので注目です。
まとめ
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キングダム/©原泰久
趙高は秦太后に仕える宦官で、太后の手先となり毐国建国の地盤を作り上げた重要人物。
政治の才があり、天才とも評される手腕で毐国を大きくしていきましたが、呂不韋や楚の思惑により毐国は挙兵することになり、討伐され滅亡してしまいました。
趙高は毐国の短命と同じく短い出番でしたね。
ただし史実における趙高は秦にとって滅亡に繋がるほど大きな存在。
秦の統一後まで描かれるかは分かりませんが、趙高の再登場の可能性は大いにあるので、嬴政加冠編での活躍と共に是非その存在を覚えておきましょう!
